別世界~2~
今日は彼女から話しかけてくれた。昨日の本はどうだったかと。半分ほど読んだことを伝えると、満足そうに頷いた。そして彼女は奥に消えていった。
家に帰った僕は本の続きを読み始めた。
男は薦められた本を読み始めた。その内容がなんと本屋で出会った女性に一目惚れをするものだった。
僕は、自分が読んでいる本とその中の本の内容が同じなことにこの話は不思議だなと思っていた。
自分と同じだと思う男は女性に会いに行く。話をしてまた家に帰って、本を読むという繰り返しだ。
読むのはここまでにするかと、本を閉じ明日彼女に会うのを楽しみに寝た。
彼女に会うと、何か言いたそうにしていたが一瞬考えてやめたみたいだった。
隣で本を立ち読みしていると、やっぱり言うことにしたのかこっちを見て「明日、この本屋の奥にいるから来て」と初めて誘いを受けた。
幸せをかみしめていると、今日は本の続き読まないでほしいというようなことを言われた。さてなぜだろうと考えているうちに彼女はいなくなってしまった。
次の日、本屋に入り奥に行くそして左に行くと以前あったありえない本棚の壁が出来ていた。
その一番奥に彼女はいた。僕に気がつくとこちらを向き、笑った。初めて目元まで全て見えた。ただ口元だけ笑っていた。
そして「渡した本ちゃんと読むのよ」と言って、一冊の本を取り開いた。
そのページは黒と青で渦を巻いていた。この渦が動いているように見えたとき、本が光った。その光の中に彼女は消えていった。
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