第25話ジェーン・グレイが処刑されたわけ

 ヘンリー8世が、キャサリン妃の侍女と結婚したいがためにイギリス国教会を作り、カトリック教徒を弾圧した。

 ジェーン・グレイが即位して9日の内に、カトリックの味方をたくさんつけて即位宣言をし、プロテスタントを弾圧したメアリーがいた。が、この時点においてはさしものブラッディ・マリーもジェーン・グレイを殺すつもりはなかった。

 いただけないのは、ジェーン・グレイの実父で、彼はメアリーがカトリックのスペイン王フェリペ2世との結婚を決めると、反勢力の首謀者として反乱を起こした。

 メアリーはそれでも「カトリックへ改宗するなら命は助ける」と言ったのだが、ジェーン・グレイは今後も野心あふれる身内が、自分を擁立して争いを続けるだろうと予期して断った。

「夫と共にこれからもプロテスタントであり続け、プロテスタントに殉ずる」

 彼女は新しい結婚指輪をしたまま、処刑台を選んだ。

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