第6話十月十九日の週刊誌

 株式会社文芸春秋と株式会社新潮社の見比べ。


 <表紙>

 ・週刊文春=ピンクの地に白い明朝体でタイトル。その下に黒い明朝体で10月19日号 定価420円とあり、絵は三匹の同じトラ模様の猫が思い思いの恰好で描かれている。


 ・週刊新潮=ピンクのカーテンが開け放っており、そこにクリーム色をしたクロスを敷いた台に黒ぶちの猫と黒衣で同色のつば付き帽子をかぶった女性が頬杖をついて目を閉じている。背景は窓の外なのだろうか? 近景には緑の垣、遠景には暖色の空に煙を吐く船と気球のようなものがうつっている。具体的なのか抽象的なのかよくわからない。絵本みたいなタッチだ。

 白い文字でタイトルと10月19日号400円とある。


 *両者の違いは週刊新潮の方にだけ、「大特集」と赤い文字が黄色い地の上に書いてありさらに黒い文字で『傾国の「小池百合子」』と書いてあった。40という白い文字も見える。これなんだろー。


 <裏表紙>

 ・週刊文春=グルメ系の番組のCM。三つ!


 ・週刊新潮=六本木のハロウィーンパレードのお知らせ。六本木通りの簡略MAPが載っている。パレードコース6カ所と主催がROPPONGI HALLOWEEN JAMBO! であることと、共催が港区であること、スペシャルパートナーがハロウィーン・ジャンボ宝くじであることが小さなロゴで並べて印刷してある。さらにパレード、トリックオアトリートのお申し込みはコチラとポップな調子で実行委員会のURLとQRコードが載っている。


 <カラーページ>

 ・週刊文春=MARISSAという女性向けカバンのCM(見開き)→ JALのギフト券のCM→ 5Pにわたって篠原涼子のグラビア→ (新潮社と共通のCM)松茸(見開き)→ glo(加熱式)タバコのCM(見開き)→ 美白系ハンドクリームのCM。


 ・週刊新潮=Nissan LEAFという車のCM(見開き・コメント付き)→ NATURAL AMERICAN SPIRITというタバコのCM→ 4Pにわたって旅行写真→ ゴルフのCM→(文芸春秋と共通のCM)松茸(見開き)→ オールインワンの美白ジェル化粧品のCM。 


 <白黒ページ>

 ・週刊文春=「小池百合子」のバストショット。東京味わいフェスタで料理を食べる小池氏の胸元に揶揄「食べても、出ない CATCH UP」→ 「安倍晋三」の演説カーでのショット。「ご自分を、守り抜く」(見開き)→ 「カズオ・イシグロ」のインタビュー「マイクを離さないで」(見開き・カメラに映りこまないように地面に寝そべるようにして音声マイクを構える記者)→ 全然知らない人がいろんな記事でいっぱいの壁を背景に「えのん」と書かれた帽子をかぶってデスクにきちんと座っているところのショット。「「ゲス極」川谷が文春にやって来た」(見開き)→ 先の人とおなじような恰好をした女性二人と男性たちがガッツポーズで群像写真。背景に「完売御礼!!」「祝」の張り紙と電車のつり広告みたいなのがずらっと掲示板に張られている。


 ・週刊新潮=「小池百合子」のバストショット。東京味わいフェスタで虚ろな目で料理を頬張る小池氏の頭上に「満たされない女 face」→ 「安倍晋三」の選挙演説シーンを切りとって「緩んで 浮かれて」→ 「野田佳彦元首相」ロイヤルホストで朝の定食(右)&「菅直人元首相」若いころのアップ写真にかぶせるように今のバストショット。「「排除」されました」(左)→ 「藤原正彦」のコラム「菅見妄語」→ アンファー株式会社のホルモン系新ブランド「Dou」


 *文芸春秋の方が、目のつけどころが面白い。これからどうなるのかなと思わされる。新潮社は画面作りが面白い。感性に訴えるか、知性に訴えるか。文章で魅せるか、画面で魅せるか。一生懸命だなと思わされる。

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