第10話 召喚魔法

「す、すいません!勘違いして...」


「いや、分かったならいいんだ」


「そういや、シエルって冒険者なんだろ?ランクはどのくらいなんだ?」


「Sですよ?」


「え?」


「Sランクです」


「いや、聞こえてるんだけど、Sランクだったのか」


輝夜はこのとき案外Sランクって弱いなと思ったのは秘密だ


「因みにあとSランクはどのくらいいるんだ?」


「Sランクは私含め3人ですね。」


「てことは、あと1人Sランクがいるってことか...気になるな...因みにどういう奴かシエルは知ってるか?」


「いえ、何でもSランクになった途端姿をくらましたそうですから...」


「そうなのか...」


「そういや、報酬ってないのかな?」


「なんのです?」


「街に現れたドラゴン討伐しただろ?その報酬だよ」


「明日くらいにはギルドから、呼ばれると思いますけど」


「そうか...」


「まぁ、今日は色々あったし寝るか」


「そうですね」


そう言葉を交わしたあと眠りにつく。翌日シエルがいったようにギルドから呼び出しがかかった


ギルドへ入るとチラホラと


「おい、アイツが噂の【ドラゴンキラー】じゃないか?」


「いや、あんな弱そうな奴なわけないだろ」


「それもそうか、ハハハハ」


なんだよ【ドラゴンキラー】って恥ずかしいな。あと、弱そうで悪かったな


そんなことを考えながら、ルナさんの元へ行くと


「あ、輝夜さん!ギルドマスターが呼んでいるので来てもらっていいですか?」


「あ、はい」


ルナさんへ付いていく。そういや、ギルドマスターって何気に会うの初めてだな。多分、元Sランク冒険者とかでてくるんだろうな


そんなことを考えているとギルドマスターがいると思われる部屋に着く


「ギルドマスター!輝夜を連れて来ました」


「やっときたわねぇ!入って来て頂戴」


え?いかにもオネエみたいな声がするんだけど...どうしよう今すぐ逃げたい


不安を押し殺し、そんな訳ないよなと自分を騙しながらドアをあける


そこに居たのは筋肉ムキムキの男か女か分からない人だった。予想より遥かに上の存在がでてきてしまった


「輝夜君、話があるから座って頂戴」


「は、はぁ」


いやな予感を感じつつも椅子にすわる


「早速本題に入るわ」


あまりにもギルドマスターの顔が真剣なので、ゴクリと唾を飲み込む音が聞こえそうになる


「私あなたに惚れたわ!」


「え?」


「だって、よく見るといい男じゃない?」


「真剣な話ってそれかよ!」


「まぁ冗談はさておき、あなたに最近現れた魔族を倒して欲しいの」


「魔族...ですか...」


「ええ。最近妙にドラゴンが出てくると思っていろんな所を調べさせたのよ。そしたら、魔族を見つけたという報告が入ってきたわ」


「で、俺にその魔族を倒してくれと?」


「そうね。」


「なぜ、俺なんですか?他にSランク冒険者はいると聞いてますけど?」


「《鑑定眼》のスキルを持った奴に調査に行かせたのだけど、ステータスを聞いたとき、私では勝てないと思ったからよ」


「どういうことです?なぜあなたなんですか?」


「あれ?いってなかったかしら?私Sランク冒険者よ?」


本当にS冒険者だった


「え?じゃあ姿をくらましたSランク冒険者って...」


「多分あたしね 」


なぜ、こんなゴリラ見たいなひとが覚えられてないのか、と思ったのは秘密だ


「でも、だからってなんで僕なんですか?」


「勘ね」


「え?」


「女の勘ってやつよ」


「女だったんですか!?」


「あんた、ころされたいの?」


やべぇ目が笑ってない...


「じょ、冗談ですよ...」


本当は冗談じゃなく、本当に驚いたのだが


「まぁいいわ。取り敢えず任せたわね」


「あ、あとこれ、報酬」


そう言ってお金を受け取り中身を見てみると


「白金貨150枚!?」


「そりゃそうよ、この街の危機を救ったんだしね。本当はそれでも足りないくらいなのだけど」


いや、もう、十分すぎるくらいなんですが


そんなことを思いながらもギルドを後にする


家に戻ると、輝夜は1人で魔族討伐に行くと、この家が狙われるかもと不安になる


「そう言えば、召喚魔法があったな...」


そう、思い出し召喚魔法を使うべく、庭へでる


早速召喚魔法を使ってみる


するとそこからはドラゴンが現れた


「我を呼び出したのは、お前か」


「あ、あぁ」


「我は龍神と呼ばれている。お前の配下になる条件として、お前のMPをみせてもらおう」


「具体的には、どうするの?」


「我にMPを注いでみろ。それで判断する」


それを聞いた輝夜は龍神の頭に手を置き、MPを集中して、龍神に注ぐ


「な、なんだ、このMPの量は!」


まぁ無限だからな


「今までの非礼を詫びます。我の主と認めましょう」


納得したのか、龍神は僕を主と認めてくれたようだ


「そうか、ならよかった。そういや、龍神って呼び方以外に名前ないの?」


「ありますよ。龍神というのは存在をわかり易くするための、名前見たいなものですから」


「そっか。で、ホントの名前は?」


「ポチです」


「え?」


いや、ポチって犬に付ける名前じゃねぇか!


「それって、誰かが付けたのか?」


「はい、初代の主が付けて下さりました」


その人も日本人なのかな?ネーミングセンスが酷すぎる...


「そ、そうか。因みに名前変えても大丈夫か?」


「はい、問題ないです」


「そうか、なら......ファフニルでいいか?」


「かしこまりました。これからはファフニルと名乗らせていただきます」


そういい、魔力体となっていった


「そういや、ドラゴンに結構会うなぁ。弱いけど」


そう呟く輝夜だった。それを聞いたファフニルは


(ドラゴンが弱...い?)


と落ち込むのだった。因みにそれに気づくのは、もう少し後だ

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