第2部 第9話「レッドダイヤモンド・ストーン」

1


「今、レッドダイヤモンドと言いました?」

「はい。言いましたが。」

「レッドダイヤモンドって……、モンスターを作り出す石、ですよね?」

僕はそう質問した。

「まあ、、そうですね。」

ミールさんはそう答えた……。

「『魔族や鬼族が持ってない限りは』……って、魔族や鬼族が持つとどうなるんですか?」

僕はもう一度疑問を感じ、ミールさんにそう質問した。

「パワーが普段の10倍になったり、グレードアップした技が使えるようになります。……まあ、5回位使えば壊れて使えなくなっちゃうんですけどね。」

ミールさんはそう返してくる。

「ど、どうやって採ったんですか?」

僕はそう聞いた。

「うぃ、ウィンドスティールという技の、グレード100ですが。」

ミールさんはそう言った。

すると。

「……えっ!? グレードって最大10までしか上げられないんじゃないの!?」

と、イリシアが声を上げた。

それに対してミールさんは、

「鬼族はなぜか100まで上げられるのよ。」

と答えた。

「鬼族って、凄いんですね!」

「そうよ。凄いのよ。」

「鬼族って、強いんですね!」

「そうよ。強いのよ!」

「ミールさん、弟子にして下さい!」

「は?」

「そうね! 弟子に……しないわ。それは駄目よ。」

「まあ、そうなるわな……。」

「ぷうーっ!」


2


玄関に出ると、グリが、モジモジとしながらこちらに。近付いて来た。

そしてこう言った。

「あ、あの……私も付いていって良いですか?」

それに対してイリシアが、怒った口調でこう言った。

「はあ? 何でよ。」

グリはそれに対し、恥ずかしがりながら言う。

「ま、魔王になりたいからしゅぎょーをしたいの……。」

「だ、だめ! あんたは家にいて、お姉ちゃんに甘えながら暮らしてなさいよ!」

「おいおい。大人げ……」

って待て。大人げないのも当たり前だ。

だってイリシアの方が幼いんだから。

ああもう。こんな時はどう言えば……。

「良いわよ。」

「き、希里花さん……。」

「良いわよ。私たちに付いてきても。」

「でも、私たちは吸血鬼……。」

「吸血鬼だろうが何だろうが……種族なんてどうだっていいわよ。人類だったら。……ほら。お姉さんも、応援、応援! 私だって魔王なのにモンスター倒してるのよ?」

いい話だ、

「希里花さん……!」

「それに、もうすぐ13歳なんでしょ?」

「う、うん。」

「……まあ、背は小さいし、」

「ぐはッ!」

あれ?

「完全に幼女キャラだけど。」

「ゴフッ!」

あれれ?

「もしかしたら、恋バナとかもできるかもじゃない。」

「き、希里花さん……?」

なんか方向間違ってるような。

すると、結衣奈がこう聞いた、

「ねえねえ私は? 私は恋バナ仲間じゃないの?」

希里花さんは、こう返した。

「結衣奈ちゃんは、どうせアニメの中の男の子が好きなんでしょ? そんなの恋の対象に入らないわよ。」

「ゴフッ!」

……今日の希里花さん、言葉での攻撃力ハンパないな。

「あ、そうだ皆!この子が吸血鬼だってことは、いまここにいる私たち以外にはバレないようにね。」

「ああ。」

「うん!」

「はーい。」

「とくに加賀谷くんはお喋りなんだから!」

「……ゴフッ。」

き、希里花さん……一言、余計ですよ。

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