第1部 第4話「幼き魔女」【改稿済】

 1


 クエストへ行く最中のこと。

「ロリ魔女っこー。ロリ魔女っこー。小さくて可愛いロリ魔女っこは要りませんか?」

 そんな事を言いながら、謎の幼女がこっちへ向かってきた。

 この道には今この幼女と、勇一達しかいないため、どう考えても勇一達狙いである。

「あっ。そこのお兄さんとお姉さん、ロリ魔女っこは要りませんか?」

 当然、勇一は幼女などに興味は無いため、その場を素通りした。


 ……しばらく経って。


 それを見兼ねた希里花さんが。

「ちょっと! 加賀谷くん! 可哀想じゃない! あの子裸足だったし、服もボロボロだったわよ! 子供だからって、それはないでしょ!」

「ええ~っ。そう言われましても、無双しようと思ってませんし、幼女に興味ありませんし……」

 と、僕は言い訳をした。

幼女ロリに興味がないとか、無双ハーレムしようと思ってないじゃなくて、ただ可哀想だからパーティーに入れてあげてって言ってるの!」

「は~い!分かりましたぁ~っ!」

 このままでは希里花からの株が落ちそうだったので、その株を取り持つためにも、勇一はその幼女を引き取りに向かった。


 2


「フヒヒヒ。おじょーちゃんどこに行くのかな?」

 勇一達が幼女の元へ行くと、その幼女の周りに、いかにも盗賊みたいな格好をしたおっさんが何人もいた。

「やめて下さい!離して下さい!」

 幼女が抵抗しながら声を上げる。

 と、そこに。

「止めなさい!」

 救世主……、希里花が立ち向かった。

「おいおい、また美少女だ。」

「クックック。殺っちまおうぜ。」※ネクロフィリア

「まさかこんなお嬢ちゃんが、俺たちを倒せると思ってるとはな。」

 などという死亡フラグを吐きながら、盗賊のような風貌をした男達は希里花に近付く。

「これでも喰らえやーーーっ!」

 と言いながら、盗賊の一人の男は剣を振り下ろした。

「――――!」

 しかし、金属音を立てて、刃が折れた。

「ヒエッ!?」

「おいこいつ、魔力で結界作ってやがった!」

 盗賊の(ような)男たちが、驚いて慌てふためく。

「お前ら~~~っ!」

希里花さんが、声を張り上げてそう言う。

「ヒイッ!」

男達はそんな情けない声を上げた。

そして、次の瞬間。



「女をナメるんじゃ、ねぇーーーっ!」

希里花さんが鬼のように形相を変え(なお勇一は見てない。)、その男達へと杖を向け。

「逃げろ! 逃げろぉ~っ!」

逃げる男達に向かって。

「巻き起これ、風よ! 炎の精霊、我に力を与えよ! 」

 ……呪文の詠唱を終わると、希里花さんはもう一度大きく息を吸う。

 そして。

黒煙纏いし炎風ダークフレイム・ヴィントストーム!!!!!」

 真っ黒な炎風が巻き起こり、男達は吹き飛ばされた、



*******




「おねーちゃん!ありがとう!」

 幼女が喜びの声を上げる。

 そんな幼女に希里花が温かい眼差しを向けながら言葉を紡ぐ。

「いいのよ。ところで……。私達のパーティーに入らない?」

「入る!」

 そしてこの日、勇一たちのパーティーにもう一人の仲間が加わったのだ。

 __________________________________________________

4話終わり!

 ところで文中に、「ダークフレイム・ヴィントストーム!!!!!」という部分がありましたよね。

 あれ、実は他の作者様に協力して頂いた箇所なんです。


 まず、いーすと様。

 https://kakuyomu.jp/users/east-desu

 次に、富小路とみころ様。

 https://kakuyomu.jp/users/kuro0906


 二人とも、協力有り難うございました。

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