第5話B「妹と家へ」(12話)

 1


「あー!もう!何なんだあいつら!」

 とある住宅街の一角。

「痛っ!」

「亜理沙!大丈夫か!?」


 ……


 俺たち兄妹は、亜理沙が入院していた病院で、突如発生した謎の生物に追われ、逃げ続けていた。


 ……


「うん。大丈夫。それと、そんなことより、スマホ買って。」

 亜理沙がそう言うと、

「今そんなこと言ってる場合じゃねえだろ!」

 と、俺はめちゃくちゃ叱っているが、『ああ、もう。本当かわいいな。』というのが本音である。

「もー。いいじゃん。命よりも軽いでしょ?」

「だから駄目なんだよ!」


 2


「とりあえず、うちに帰ろ?」

 亜理沙がそう言った。

「まあ、確かに、そっちのほうが安全だもんな。」

「いや。そうじゃなくて。」

「は?」

 ならなんで?

 すると亜理沙は少し怒ったような口調で言った。

「お金を取りにいくの!」

 ああ。まだスマホの事考えてたのか。

「スマホは時間ねえし、買わねえぞ?」

「良いじゃん!減るもんじゃないんだし。」

「減るわ!」

 ……とりあえず、家に帰ったらすぐに財布と通帳を回収しよう。


 3


「ふう。やっと着いた。」

 家に着いたのは7時。辺りは既に暗い。

 あっ、そうだ。財布と通帳を回収しなきゃ。


「ねえ、お兄ちゃん。」

「なんだ?」

「お兄ちゃんの財布どこ?」

 ……はやくも気付きやがったか。

「言っとくがな、スマホ買うお金じゃないからな!」

「わかったよ。……通帳どこ?」

「言うか!」

「もー!ちょっとはくれたっていいじゃん!」

「お前の『ちょっと』は多いんだよ!」


 ドーーーンッ!


「うわっ!?」

 窓の方から音がした。

「一体なんだ!/何なの!?」

 慌てて窓を見た。

 するとそこには、

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 病院の外にいた、あいつらがいた。

 病院で見た時よりも、何倍……いや。何十倍も多くなって。


 To be continued……


 ____________________________________________________________

 すみません。なんか今回はただ、雷舞と亜理沙が喧嘩するだけの話になってしまいました……。

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