第6話「妹と二人組」(13話)

 これにて、序章完結です!

 そしてやっと一番グロいパート書けました。

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 A


 1


「あなたに、倒して欲しい生き物が居ます。」

 勵渡は俺に向かってそう言ってきた。

 ……は?

 何?ケンカ売っといてどういう事?


 ……


「こいつです。」

「……なにこのグロい生き物。」

「分からないんだよ。この前警察呼んで、倒して貰おうとしたんだけど……。」

「だけど?」

「逆に警察が殺されたんです。」

「……はぁ?」

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 B


 1


 ガッシャーン!という音と共に窓が割れた。

「キャアアアアアァァァァ!?」

 もう!本当に何なんだ! あいつら!

「……亜理沙。俺の後ろに付いてこい。」

「う、うん。わかったっ。」

 そう言って俺は……いや、俺は玄関の方へと歩き始めた。

 ……が。

「ギャアアアア!」

 丁度廊下に差し掛かった時、トイレからは飛び出して来た。

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 A


 2


「……え?ちょい待ち。……どゆこと。」

「だから、そのまんまです。警察官がこいつに食い千切られたんです。」

 え?マジ?嘘だよね?

 ……嘘じゃないみたいだ。

 えー。ちょっと気が乗らないんだが。

「それで、一番困ってるのがですね。」

 いや、そもそもこいつ中立なんじゃ……?

「沙耶香様が、いつも昼休みに襲われてるんです。」

「おらあああ!殺ってやるよこのクソキモゲロ動物があぁぁ!」

「キシャアアアァァァァァ!!!!!」

「おっらあああああぁぁぁぁ!!!!!」ズッ……ドーーーーーンッ!

 そして、そいつの首がもげた。そして結合していた部分からおびただしい量の血がブシャーーーーッ!っと勢いよく噴き出した。


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 B


 2


「このやろーーーっ!」

 俺はそいつの顔を勢いよくキックした。

「お兄ちゃん! すごい!」

 何今の。めっちゃ元気出た。

「とりあえず、亜理沙。走れ!」

「出来ないよ! ほら、忘れたの!? 私、足痛いんだってば!」

「あ。そうか。……じゃあ、ほら。おぶされ。」

「うん。」

「じゃあ行くぞ!」


 ……


「亜理沙、足は痛くないか?」

「うん。痛くないよ。……今のところ。」

「そうか。痛くなったら言え。手当てしてやるから。」

 そういえば亜理沙、貧血気味なんだっけ。一応そういうことが起きた場合のことも考えておこう。


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 A∞B


 3


「亜理沙、逃げてきたはいいが……」

 なんで。

「何で学校なんだ!」

「だって。授業あるじゃん。皆勤賞取りたいし。」

「……あれ。亜理沙ちゃん?久しぶりだね。」

 と、麻衣が話し掛けてきた。

「ん?久し振り?……ってあああああ!病院行ったからちょっとの間学校行ってないんだった!……これじゃあ皆勤賞取れないよ(´;ω;`)ショボーン」

「あ、それなら私が先生お父さんに言って、欠席した日を出席扱いになるように言っておいたよ。」

 ……マジか。親友だからってそこまでやるか? 普通。

「マジですか!あざっす!」

「ううん。前から亜理沙ちゃんが皆勤賞取りたいって言ってたのを聞いてたから。」


 ……


 沙耶香[欠席]・亜理沙の教室(数学)


「というわけで、2x(6x-3y)は、公式ax(bx-cy)に当てはまる。これは今回の実力テストに出るからな。覚えとけー。」

「「「「「「はい!」」」」」」


 雷舞の教室(自習時間)


「~♪~♪~♪~♪~♪」

「うっせえ。」

「すまん。」

 ところで亜理沙の教室は……

[はい!それでは3x(3x-3y)はどの公式に当てはまるでしょう。はい。亜理沙さん!]

[はい。3x(3x-3y)は、ax(ax-ay)の公式に当てはまります。]

[正解。いや、やっぱり亜理沙さんは凄いですね。]

 ……数学か。

 そういやあそこ進めてなかったな。やろう。

 そう思い、俺が数学のワークを取り出そうとすると、あるものが目に入り、小さな声で言った。

「なんだ?あいつ……素手であの生き物を、倒してる!?(正確には足)」

「ん?雷舞?どこいくんだ?」

「……。」


 4


「こんにゃろ!よくも俺の大事な(×2)妹を!」

拓斗は、そいつの死体を蹴り続けていた。

「あ、その、拓斗さん。気持ちは分かりますが、もうこいつ、死んでます。」

「んなことわかってんだよ!」

「ええ……。」

勵渡が引き気味で拓斗を見る。

「……おーい!」

「ん?」

「あ、亜理沙ちゃん!」

「おーい! お前! さっきこいつ倒してたよな!」

「……? ああ。どうかしたか?」

「こいつ、俺の妹を襲って来てたんだ! 倒してくれてありがとうな!」

「え……?」

「?」

「お前の妹も、こいつに……?」


 こうして、二組は、……いや。二組の兄妹は出会ったのだった。


 序章 了


 1章へ続く


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 今回、文字数が異常に多くなりました。

 ……まあ、とりあえず、これで序章は終わりです。

 1章からは、皆さんのご想像通り、青山家、切口家が合流してストーリーがつむががれるわけですが……

 誠に申し訳ありませんが、1章は直ぐには書けません。

 そのことによって、PVが少なくなる可能性があるのはちょっと痛いですが、皆さんに朗報です。

 前のアカウントで投稿していた「異世界で初めてパーティーに入れた美少女が実は元クラスメートで魔王だった件」が意外に反響が良かったので、そちらを投稿することにします。

 どうぞ宜しくお願いします。


 2017/11/20 1:10

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