第3話B「妹と病院からの脱出」(8話)

 1


 翌日……翌々日辺りかな。俺は亜理沙が入院している病院へ、見舞いへ行った。

「おーい。亜理沙ー。起きてるかー?」

「あっ、お兄ちゃん!来たんだ!」

「はいよ。差し入れ。」

「わーい!ありがとう!」


 ……


「……まあ、そんな感じでさ。」

「へえ。結果出なかったんだ。」

「ああ。」

「そう。」

「……っていうかお前、脚大丈夫なのか?」

「うん。結局あの銃弾も少しかすっただけみたいだったし。血はいっぱい出たけど、あと1週間もあれば、退院出来るって先生も言ってた。」

「そんなら良かった。……ところで、なんかここ、すごい静か過ぎてないか?」

「……私、それが気になって、隣を覗いてみたの。でも誰もいなかった。ベッドすら置いてなかった。しかもそのあと、先生の目を盗んで他の部屋を覗きに行ったんだけど、病室だって思ってたドアは、全部ただ壁に描かれた絵だったの。」

 ……は?

「すまん。よく分からん。」

「だぁ~かぁ~らぁ!簡単に言うとね!この病院には、私以外! 誰一人! 入院……どころか通院すらしてなかったの!」

「それだけ皆が健康だって事じゃないか?」

……っていうか、そうだとしたら、先生が娘だと言っていたあの子はどこに?

「もう! お兄ちゃんは本当にバカなんだから! これで納得してくれる!?」

 亜理沙はスマホで「GOOG○E MAP」を見せ付けてきた。

 そしてそこには、この病院の位置情報が……ってあれ?

 ここには何もないことになってる……?


 2


「どゆことどゆことどゆことどゆこと!? なんで!? なんで病院ここの位置のはずなのに、表示されてないの!? 意味ワカンネェ!」

「もー!お兄ちゃんってばホンットに物分かり悪いんだから! いい!? この病院は、国が無いものとしている……、いや。国がこの病院を、ヒミツにしてるの! どう!? わかった!?」

「ああ。ああ……!そうか! そう言うことか!」

「でね、本題に戻るけど、たまに外から音がするの。」

「外……?」

俺は外を見ようとしたが、あいにくそこにはカーテンがかかっていた。

「……お兄ちゃん?」

「あっ、すまん。」

「それでその音がn……」

バーンッ!

「そう。この音。」

俺はビックリしてカーテンを開けた。

するとそこには、見たこともないような生物が、血塗れの状態で、こちらに銃を向けていた。


To be continued……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る