第3話A「妹と学校へ」(7話)

 前回の主な出来事

・沙耶香が梨々香とかいうやつに電話して先生来た

・なんやかんやで学校行くことになった


1


「でも、学校へ行くっていっても、どうやって行けば?」

 俺は沙耶香に小声で言った。

「まあ、それは先生に任せればいいよ。」

 すると沙耶香も、そう小声で返して来た。

「さあ!学校に行こう!」

 うわっ!?めっちゃ声でかっ!?

「まず沙耶香のお兄さん!えーと……、沙耶香さんの右前あたりに移動して!」

「あっ、はい!」

 俺は沙耶香の先生に従い、沙耶香の右前あたりに移動した。

「それじゃ、出発だ!」


 2


 ……まあ、そりゃ徒歩だよな。

 10分もありゃ、着くんだもん。

「じゃあ左に曲がるから、お兄さんは沙耶香さんの右後方あたりに移動してくれないかな。」

「はい。」

 俺は沙耶香の右後方あたりへ移動した。

「じゃあ次はまた左に曲がるから、お兄さんは沙耶香さんの左後方あたりに移動して。」


「はい。」

 とまあ、そんなやり取りが続いたあと。

 大体家から出て7分位だな。


「よーし。次は……」

「はい。」

 ……ん?今なんか動いたような……?

 俺はそう思い、その場所に目を向ける。

 なんだか見にくいな。

「じゃあ次は左に曲がるから――」

「はっ、はいっ!」

 俺が沙耶香の左前につくと、そのあとに左後方のビルの屋上から右後方のビルの屋上へひとっとびしていく。

 さすがにこれは人間にはできないだろう。結構道路も広いし。

 ということは、あれは一体何なのだろう……

 そう考えている間に学校に着いた。

「さあ。学校に着いたよ。お兄さん。」

「おおお。懐かしの母校だ。でも何か違うな。」

「そっか。お兄ちゃんは23歳で、私より7年早く入学したから分からないんだね。お兄ちゃんが卒業した4年後、2つ、教室がふえて、外装も新しくなったんだよ。」

「へえ。そうなのか。」

 とまあ、とりあえずは学校に着いた。


 ちなみに、その影の正体とはすぐに会うことになるのだが、そんなことなど、俺も沙耶香も知らなかったのだった。


 To be continued……

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