第1話A「妹と手紙」(3話)

1


「ダダダダダダダ!」

銃撃が始まった。

「いやあああああああぁぁぁ!!!」

突然のことで何が何だかわからない。

とりあえず、このまま待機していたほうがよさそうだ。


―――――――――――――――数分後―――――――――――――――


――銃撃の音……すなわち銃声が止まった。

再び鳴らないことを確認して、テーブルの下からでる。

「沙耶香……。止んだみたいだ。」

沙耶香はガクガクと震えながら、こういう。

「ねえ、お兄ちゃん?い、い、いまの何なの?」

「……分からない。」

「……ちょっと、お兄ちゃん。様子見てきて。」

「わ……、分かった。」

俺は窓の方へ確認にいった。

しかし、特に怪しいものは特になにもない。

「……ねえ、なにかあった?」

「いいや。なんにも。」

「っていうかそういえば……」

沙耶香は視線を棚の上に置いてある手紙に向け、

「なんだ?」

指を指した。

「あの手紙、何だったの?」

「あ、ああ。あれか? ああ、あれな。」

「ちょっと、見せて。」


2


「分かったよ。」

「うん。」

「……はい。」

「……。」

そして沙耶香がその手紙を見た。

「~~~~~~~~~っ!?」

「!!?」

「お兄ちゃん……。こ、これって…!」

「そう。脅迫状だ。」

「やったあ~~~~っ!」

「はあ!?」

「だって。脅迫状って憎い人に送るんでしょ?」

「でも、お前は特に憎まれる事はしてな―」

「もう! お兄ちゃん! ばかなの!? 私は! 生まれた時から憎まれる運命だったの! そしてわたしが憎まれる理由は!誰にも負けない可愛さ!でしょ?」

あ。確かに。

お前、前に俺が保護者として参観に行ったとき(まあ保護者なんだけど)、異常に男子がまとわりついてたもんな。

それだったら辻褄が合う。

「そして! 脅迫状が来たということは! ついに私の可愛さは! 頂点に達したってことだよ!」

「でもさ、お前殺されたらどうすんの。」

「それは……嫌だから逃げるよ!」

「じゃあ、逃げるよな?」

「うん。お兄ちゃん! 足手まといになったりなんかしたら、しょうちしないんだからね!」

「はいはい。」


To be continued

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