スティグマ。
わずかに瞬くヒカリを抱き締めたままで
汚いゴミに溢れた世界を歩いていた
罵声も嘲笑もいつものことなのだから
もう特にはなんとも思わなくなったけれど
身体を傷つける痛みだけはまだつらくて
胸の中に抱えていたヒカリを手離しかけた
だけどそれは絶対に譲れないとわかるから
手離したフリをしてもすぐにまた拾う
奪い返したヒカリを護り抜くためなら
傷のひとつやふたつくらいはどうでもいい
むしろそうして刻まれてきた傷たちを
誇りに思いながらこれからを歩いてゆく
遠い昔に何度も口ずさんだ歌を思い返す
手に入れるための痛みならそれでいい
泣きたくもなるし逃げたくもなるけれど
それでも立ち向かうと自分で決めたから
暗闇しか見えない中でもまっすぐ前を向き
頭を上げてクソみたいな世界を歩いてゆく
こころのない群衆の声に抗うためだと
僕は僕自身を奮い立たせてあすへと行く
空っぽな言葉の弾丸では僕は傷つかない
僕を本当に傷つけたいのだったならば
隠しているヒカリを砕くくらいでないと
身体は数多傷ついてもこころは死なない
身体に増えた傷たちのひとつひとつが
僕にとっては生きた証みたいなもので
それは清く尊い聖なる傷痕ばかりだから
こころのヒカリを護る僕の強さなのだと
いつもいつでもひとつ誇りに感じながら
これからの道をさらに力強く歩いていたい
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