僕の脳内シアタールーム

空帯

第1話 嫌いなもの

とある酒場で卓を囲みながら飲み合う5人。ひょんなことから、話題はそれぞれの嫌いなものについてとなった...


A「お前らの嫌いなものってなんなの?あ、俺は勿論上司な。あいつらは下請けの気持ちなんか考えもしないで仕事振ってくるからな。毎日消えればいいとまで思ってるわ」


B「僕は辛いものですかね..《ルビを入力…》.あればっかりはいくつになっても慣れません...よく、辛いけど美味しい料理の特集とかやってるでしょ?ああいうのは見るのも辛くって」


C「私は虫。あのカサカサ動く感じ、本当にダメなのよ...特にイモムシ系。ああいうのに限って洞穴とかにうじゃうじゃ...ああ想像するだけで鳥肌がたつわ...」


D「私はお酒ね。一人で飲んでると絡んでくる男共いるじゃない?ああいう野蛮なの苦手なのよね。それに前の彼が...お酒飲むと...私をぶつのよ...何度も何度も...」


そう言うとDはしくしくと泣き出した。


A「もう酔ってんのかよ!まだ飲み初めて1時間くらいだぞ!こいつはこうなると面倒臭いからな...はあ、今日はこれくらいにしようか。明日も朝早くなりそうだしな。買ってもらったばっかりで明日は日曜日だろ?きっと早起きしてやり出すに違いない」


B「そうですね...そういえば、Eさんの嫌いなものってなんなんですが?」


一際疲れている顔をして、グラスを傾けていたEが口を開いた。


E「俺か?ああ...俺は.........人間かな。あいつら、俺がどんなに魔王を倒したって、何度も何度も世界をリセットしやがる...死線をくぐってるのは俺たちだってのにな。たまにセーブデータに細工して、データを消したりしてるのに、飽きることなくNEW GAMEを選択しやがる...なんなんだ人間ってのは。もうスライムを倒すのはこりごりなんだ...」


A「ああ...確かに.........きょ、今日はもうちょっと飲むか。Dも既に追加注文してるみたいだしな」


B&C&E「賛成」


そうして彼らは再びグラスを合わせると、飲みかけのポーション(麦酒仕立て)をグイっと あおった。

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