第2ー15話 日本の国技なのです。
「なあタマ。ゴールデンウィークは何か予定あるのか?」
明日から8連休が始まる。テレちゃんは部室で1人紙相撲をしているタマに問い掛けた。暇そうだな。
「じいちゃんと毎年恒例の『お小遣い争奪オセロ三番勝負』以外は特には何もないかな。テレちゃんは何かあるのか?」
「そんな勝負をしてるのか?私も特にないんだ。どこか行かないか?」
皆さん覚えているだろうか?タマはオセロが弱い。未だかつてじいちゃんに勝ってお小遣いをゲットした事はないのだ。じいちゃんも容赦なく叩きのめす…大人気ない…。
「そうだな~。でもどこも混んでるよな…。メガネとフェミちゃんはどこか行くのか?」
「僕とフェミちゃんは3日に大宮に行くよ。」
「大宮?埼玉県の?」
「うん。3、4、5日に大宮の盆栽町で盆栽祭があるんだ。」
説明しよう。『大宮盆栽祭』とは!!
毎年5月の3、4、5日にさいたま市盆栽町(本当にそういう住所がある)で開催されるイベントである!老舗の盆栽園があり、その期間中は道にたくさんの盆栽の売店が出るのだ!!
「…フェミちゃんはそれでいいのか?」
「うん!私も好きだよ盆栽。それに大宮に行きたいレストランがあるんだ~。」
「ふむ。そうかそうか。コンちゃんはどこか行くのか?」
部屋の隅で紙相撲の力士を作っていたコンちゃんが顔を上げる。タマと対戦するつもりだったんだね。第5ダンジョン部の特殊な環境にもう馴染んでいるみたいだ。良かった良かった。
「コホッ…。私ですか?私は父の実家の秋田に行くくらいですかね…。出来た!タマ先輩、勝負です!」
「おうよ!!」
タマとコンちゃんは真剣な眼差しで段ボールで出来た土俵を小刻みにトントンと叩き出した。タマの力士がパタリと倒れた。
「ぬお~!!負けた~!!コンちゃん!もう一回!!」
「いいですよ~。」
再び2人はトントン叩き出した。
「…で、タマ。どこか行かないか?」
紙相撲に会話を中断されたテレちゃんが紙で力士を作りながらもう一度聞いた。
「うむ…。映画はこの前行ったしな…。あ、また負けた。チクショー!」
「次は私と対戦しろ。」
テレちゃん参戦!!テレちゃんとタマはトントンを始める。
「そうだな~。テレちゃんどこか行きたい所あるか?」
トントントントン…
「自転車かバス、電車で行ける所だよな…。」
トントントントン…
「混むのを覚悟してバスで那須ハイ行こうか?」
『那須ハイ』とは那須にある遊園地『那須ハイランドパーク』の略である。ちなみに那須にある猿をメインとした動物園『那須モンキーパーク』は『那須モン』とは略さないので注意が必要だ!!どうでもいいけど。
「いいね。行こう行こう。よっしゃ勝った。」
タマ対テレちゃんの対戦はテレちゃんに軍配が上がった。
「チクショー!もう一回だ!」
「タマ先輩!テレちゃん先輩と勝負させて下さい!」
コンちゃんとテレちゃんはトントンを始める。
「ねえメガネ君、私も那須ハイ行きたいな。」
フェミちゃんは紙で力士を作りながら言う。
「じゃあ、僕たちも行こうか。」
メガネも力士を作っている。
「せっかくだからコンちゃんも誘わない?」
「いいの?」
「もちろんよ。出来た!勝負勝負!」
フェミちゃんはピンクの力士を持って土俵に挑む。メガネも作り終えリーグ戦表もさらりと作った。
「よ~し!大相撲那須塩原場所の開幕じゃ!行くぞ!マヨ乃山!」
変な四股名…。ここに激戦の火蓋が切って落とされた!
結果
優勝 4勝0負フェミちゃん『桃の海』
3勝1負 コンちゃん『雫富士』
2勝2負 テレちゃん『源氏』
1勝3負 メガネ『那須乃松』
全敗 タマ『マヨ乃山』
この後、5場所やったとさ。何部だ!!ダンジョン行け!!!
次回!!遊園地!お前ら本当にダンジョン行かないな…。つづく!!
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