【追加記事】主人公はちゃんとそこに住んでいますか?
昔、私は某掲示板の創作版で「まめ太は騙されやすいなぁ、」みたいな事を言われました。ある作品で、イジメに苦しめられる主人公の心情に共鳴してその作品をとても良いと評価したところで言われたレスでした。
その版の住民達によれば、とんでもないと。一見ではイジメに苦しめられているような書き方をしているが、作者の本音が混ざっていて、本当はイジメ被害者もイジメ問題も、ただのネタとしか見ていないことが文章に表れている、と言われました。
私が最近ハマったシリーズHiGH&LOWの中で、ガンちゃんこと岩田くんがどこかのインタビューで答えてたんだけども、あのシリーズでは演者であるメンバーたちがスタッフとじっくり話をして、役柄についてしっかり突き詰めるそうです。
で、ガンちゃん演じたコブラさんという役は、最初、カノジョとイチャコラするシーンがあった。
「コブラさんは女とイチャついたりしねぇ、」
ガンちゃんのこのひと言でカット。(笑
これです。その作品の中で、そのキャラクターは生活してきたわけです。その世界がその人物の知っている世界で、ほかの事情など知らないわけです。
コブラというあの世界の人物であるからには、ガンちゃんが知っている世界など知らないのが当然です。小説でいうなら、登場人物に作者の影が出るのはヨロシクないわけです。
代弁者になってはいけない、これは小説においては「基本」です。
ついつい自分の思想とか主張をキャラクターに言わせたくなる。それで、同じような思想や主張を持ったキャラクターにする。そこまではいい、ただ、育ってきた背景は違うという点には留意してください。
同じ思想、同じ主張、しかし、寄って立つべき背景はまるで違うと。人物がブレて、どこの誰だか解からなくなってしまいます。
心情描写をこと細かにやるほど、この問題は顕著になっていくものでもあるので、そのキャラクターがどこで生まれ、どう育ち、どういう事件を経て、そのシーンに居るのか、そのキャラクターになりきることが大事で、そこに作者の心情を混ぜてはいけません。キャラが混乱してしまいます。
そのキャラの価値観、思考、使う言葉や言い回しまでが、そのキャラの育った背景に準拠します。絶対王政社会の元に生まれた者が、いきなり平等主義を唱えているのはおかしいわけで、そこには絶対王政に対する疑問を抱くとかキッカケとなる事件とか、何か現代の読者と同じ価値観になるだけの納得のいく理由が先に描かれねば説得力がないわけです。
ご注意ください。
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