構成の整理(目次の青写真)

 この辺りも理想としては原稿以前に終わらせておきたい作業の一つです。企画、設計、書くべき内容の下準備(メモ)、その状態での最初の順番付けという感じ。


 ここまでをざっくりと大学ノートか何かに書き出してから、改めてプロットにして詳細な計画を立てるとかなり無駄がなくなります。日数にして一日二日でしょう。頭の中でも可能なんで、それだと本当に小一時間もあればここまで行きます。内容にもよりますが。


 だいたい、書き方講座では四苦八苦してますが、普通に物語を綴る程度ならばプロットも何も要らなかったりもします。私の場合。

 それだけこの書き方というものの伝授には、膨大な量の情報を扱うのですわ。なので完全初心者と中級者と上級者では分けてしまいたくなりますし、中級、上級と上がるほどに記事が煩雑かつ複雑な内容になっていきます。

 始末の悪いことに、これが上級の最終まで理解せねば文学など一部の小説は書くことが出来ないというまことに面倒臭い体系だったりもします。しかも伝授するには完全理解が必要で、そこまで行っている作家となるとプロでもほんの一握りの文学者と呼ばれる方々だけであろう、というね。

 そんなモノに手を出しているわけなので、四苦八苦するのはむしろ当たり前、これがさっくりと出来るようなら、それは本当の意味では小説がなんたるかを理解出来ていないということなのです。


 プロットが必要かどうかは、書く内容によります。例えシンプルな一本道のストーリーを用意していたとしても、裏側にどういう企みを持ってくるかで変わってきます。シンプルストーリーをシンプルなまま出すだけならプロットなんぞ要りません。


 ボーイミーツガールの物語を、二人が出会って色々障害を乗り越えて晴れて結ばれるという道すじでストレートに書くのと、同じ道すじながら文章の合間に仕掛けを施して叙述トリックを形成するという書き方は、違ってくるわけです。


 基本、プロットが必要とされるのは後者ということです。これがまた、叙述トリックのみでなく、哲学的な含みも持たせようだとか、言葉遊びで最初の台詞と最後の台詞をリンクさせようだとか、そういう企みを裏側へ捻じ込むほどに、表面に見えている部分は単純でも裏側が複雑怪奇なものになっていくわけで、それはさすがに管理画面が必要になる、ということなんです。


 文字になって現れてはこない裏側の事情が、時に蜘蛛の巣のように複雑だったりするケースでは、普通にプロットを組んでもワケが解からなくなります。そういう時には、最初の青写真の段階から一応の目処を付けて臨まねばならないはずで、頭の中ではやっているその作業を、舐めてかからずに、実際に物理に直しておく方が後々混乱せずに済む、という話をしているわけです。


 だからこれは、上級編の話ということになります。哲学的含みだの叙述トリックだの文豪式思わせぶりだのを入れ込む予定の無い場合には、逆にこんなまだるっこしい事をしていたらモチベーションがダダ下がりですんでケースバイケースと心得てください。

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