キャラをベツモノに、個性を付ける⑬~慣れた者は慣れを実感出来ない~

 えー、二次創作小説とかテンプレ小説というのは、非常に癖が強くて、パソコンで言うならドライバを別途でインストールしてこないと読めないシロモノです、てのは先に言及してあります。


 これ、ドライバインスト済みの読者は、自分にドライバ組み込まれてるのが認識できません。ひどいのになると、ドライバ無しで読める文体とドライバ込みでないと読めない文体の区別も付きません。


 普通の小説も、実際にはドライバ対応です。しかし、こっちはあれこれあって標準機にはどれでもプリインストールしてあるものです。別途インストが必要なドライバと、標準装備のドライバの違い、解かるでしょうか。はい、広く普及してるんです。正直、その違いしかないんで解かり辛いんですけどね。


 漫画だって、あのコマワリの読み順序とか、別に説明がなくても読めたりするでしょ。あれもドライバ対応です、銀魂のハチャメチャ設定がどうとか言ってる意見もあったけどね、漫画のドライバは広範に普及してんの。だからそういうものという認識はすぐ出来るの、誰でも。漫画ドライバはプリインストだから。


 だけど、テンプレとかの「他を参照しながら読む文体」てののドライバはそこまで普及してないのね。あの独特の言い回しとか、文章の雛形ね、あれに沿ってれば、どのテンプレートを当て嵌めて読めばいいか解かる、みたいなのはドライバインストした者同士の了解でしかないの。


 で、普及するスピードよりも、種類がどんどん細分化してってビジネスモデル崩壊のが近いかも知れないって気がするのよ。他を参照なんてのは一般の小説にだってあるけどさ、テンプレとかほど顕著じゃないのね。


 これ、ずーっと書いてるけどさ、から解かるのよ。よく「ワープする」とか言われたもんよ。どこから出た、サメ、みたいな事もよく書いてたからさ。読者の頭に疑問符が出た時点で作者の負けなのよ、本来はね。この問題って。ほら、言い換えたら「作者の頭の中では理屈が通ってるんだろうけど?」て言われる、アレよ、アレ。説明不足。あるいは説明が後出しジャンケン。

(追記:今はだいぶ認められたけど、その昔は、こういうのはヘタクソの一言で一刀両断でしたけどね)


 もっと怖いのは、文豪文体の真似して失敗、てパターンね。


 あちこちに匂わせる文言を散りばめて、そこから推測してもらうという手法の事も説明したと思うんだな。「なごり雪」方式ね。それを失敗した、て事よ。この方式は、スピード展開のラノベの文体には非常に相性が悪いですんで。

 じっとり丁寧描写の文体が、戦闘とかのスピード展開の場面に相性が悪い、てのも言及したよね。ラノベ文体にも苦手があるってことなのよ。


 深く考えることなしに、どんどん流し読めて、先へ先へ展開が進んで行く、それがテンプレ文章の強みだとも言及してあると思います。深く考えずに表面だけなぞって読んでんのに、そんなフェイントみたいな散りばめヒントを全部拾い上げられる読者ばかりじゃないだろ。だから多くテンプレの文章はストレート文採用なのに。出来るだけ雛形から外れない注意をしてんでしょうに。


 一般小説の文章や文豪文体は、じっくり一文に注意しながら読むように仕向けた文体です。だから描写とかもくどい。なぜじっくり読ませたいかといえば、推測を促すため。その逆の理論が働くのが、ラノベやテンプレに多いストレートな文章ですって何度も書いてるんですけど。サラサラ読ませる為に、ラノベの文章っていうのは解釈が分かれるような書き方は厳禁だって、昔は言われていたんだよ?(笑

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