彼世千日此世一日(あのよせんにちこのよいちにち)

 このところひどく体調がよくなかったのは事実だ。数年前に病気をしてしまってから、あまり体力がもたなくもなっていた。

 山の中は涼しい。だけど、真夏だ。山である。軽装……いや、平服で、しかもサンダルで登るのは、いくら裏山でも無理があったのだ。




「おい。だいじょうぶか」

 頬をやわらかくはたかれて、目をさました。自分を覗き込んでいる男に、あれっ、と思う。見知らぬ相手。だが、どこかで見たような顔。

 それからぎょっとした。自分がどこかに横たわっていること。男が覗き込んでいること。さすがに焦って身じろぐと、男はやれやれと溜息をついて離れた。

「そのように怖れずともよい。俺はそなたに何もしておらぬ」

 警戒しつつ身を起こすと、自分がびしょ濡れなのがわかった。そこでようやく水音がすることにも気づく。それから、あたりの風景が異様なことにも。

 赤と灰色の混じり合ったような空。見まわすとあたりはどこかの河原だった。すぐ近くに水が流れている。その川の流れはゆるやかで、川幅も広いようだった。だが、向こう岸が見渡せない。

 何よりあたりがどんな場所なのかまるでわからない。灰色の靄が立ちこめていて、自分と、自分の傍にいる男しか見えないのだ。

「あの……」

「そなたは沢に落ちたのだ。茂みを掻き分けた先が崖だったが、あれはわかりにくいからな。――すまなかった」

 ここはどこかと尋ねるより前に男が答えた。男の声につられるようにして、ゆっくりと起き上がる。体がきしんで、特に腹部が微妙な痛みを訴えた。

「えっと……助けて、くれたんですか」

「そうとも言えるし、そうとも言えぬ」

 男はそう言うと、じっと見つめてきた。

 男が身に着けているのは着物だった。薄汚れたような灰色の着物だ。ところどころに黒い筋が入っている。奇妙な模様だった。

「その、ええっと、ありがとうございます。……助けていただいたようなので」

「だからさきほども申したが、助かったわけではない」

 男は神妙な顔をして告げた。「ここには生きている者は滅多に訪れることはできぬ」

 ゆっくりとまばたいて彼を見返す。

「それはつまり……わたし、死んだの?」

 言いながら、どっと体から力が抜けるのを感じる。

 息子はどうしただろう。あの子を探して山に来たはずだった。

 男が言うことが本当なら、自分は沢に落ちて死んだのだ。山に行った息子を探して……息子が無事ならいい。だが、……もし、自分を捜して母親が死んだと知ったら。

「あー……おばかさんだわ。わたし」

 思わず呟くと、男が声を立てて笑った。

「そなた、気丈なおなごよのう。自らが死したかもしれぬというのに、落ちついておる」

「いや、落ちついてはないですけど」

 死んだとしても実感はない。まだこんなふうに話せるし、何より体の痛みがある。

「確かに落ちついてはおらぬな。俺はそなたが死んだとは言っていない」

 男はおかしそうに笑った。うすらぼんやりとしたこの場に似合わぬ、太陽のように明るい笑顔だった。なんとなく先生を思い出すなあ、と思う。

 先生、と考えると、胸の奥が痛くなった。

 ――先生。高校に来ていた講師だった。いつもぼんやりとしていて、考えごとにはまると食事をとるのも忘れてふらふらしていた。それにお弁当を分けてあげたのが始まりだった。

 うすらぼんやりして無表情だと思っていたのに、笑うととても明るかった。

「先生……」

 先生のことを考えると涙が出た。

「先生、とは、誰のことぞ」

 男が訊いた。どことなく、いたずらを叱られる前の息子に似た顔つきをしている。彼が何を思ってそう問いかけたのか、わからないまま答える。

「夫……です。学校の、先生だったから、今でもそう呼んじゃうことがあって」

「学校……」

 男は首をひねった。「それが何かはちとわからぬが、そなたの夫はそなたの師でもあったのか」

「そうです」

 学校を知らないということは、このひとは昔のひとなのかなとぼんやり考える。着物を着ていることもだが、口調からして少し時代がかっていた。

 霊なのかな。ふと、自然とそんな考えが浮かんだ。

 幼なじみのことを思い出す。霊にはわるい霊もいるけど、いい霊もいると言っていた。それを見分けるのはむずかしいの。いい霊のふりをして近づいてくるものもいるから。でも、……結花ゆいかちゃんはそういうのと縁がなさそうだから、だいじょうぶ。

 中学を卒業するころにそんな話をした幼なじみとは、高校が違ったので、あれきり会えていない。家を出てしまったらしく、結婚式の招待状に返事はなかった。家族も行き先がわからないと、幼なじみの弟に聞かされたときは驚いた。

「なるほど……」

 男は、ふむ、と顎を撫でた。考えごとをするときの先生のくせと同じだ。

「さきほども言ったが、俺は確かにそなたがあの川で黄泉へと流れゆくのを引き留めた。それを助けたというなら助けたのだろう。だが、そなたはまだ死んでないというだけで、ここにおればそのうち生きることはかなわぬようになる。――まだ生きていたいのであろう」

 男の問いに、即座にうなずく。

「はい」

 先生、――夫のことは今でも大好きだし、息子だって可愛い。もう子どもは望めないかもしれないと言われたが、それでも自分にはまだあのふたりには必要なはずだ。

 年の離れた夫に、冗談でよく言った。きちんと最期まで看取ってあげる、と。その約束を守らなくては。

「俺がそなたを助けたのは、そなたが都合がよかったからだ」

 男はひどくまじめな顔になった。

「都合がよかった……?」

「そなたの命数は尽きてはおらぬ。だがこのままでは、その腹の子に引きずられて死ぬかもしれぬ」

 腹の子、と言われてぎょっとした。思わず自分の腹に手を当て、視線を向ける。

「子どもが……?」

 自覚はまるでなかった。数年前に患った嚢腫のせいもあったし、もともと不順なたちだ。兆候はなかったのだ。

「腹の子には最初、魂が宿っておらぬ。性別が決まるころに魂が入る仕組みらしい」

 男が語り出した。思いがけぬ説明に、ただきょとんとするばかり。

「はあ……」

 だったらなんでサファイアはどっちも入ってたんだろうとふと思ったが、あれはマンガだ。

「そなたの腹の子にはまだ魂が宿っておらぬ。……魂が宿っておれば、生きたいとも願い、現世うつしよに留まろうとするであろうが……そのように思うことすらできぬので、今のままでは流れてしまうだろう」

「そんな……」

 思わず膝立ちになって、男の腕を掴んだ。「どうすれば、いいんですか!」

 男はびっくりした顔をした。それからふっと笑う。

「そなたは我が兄上の奥方によう似ておる。どんな逆境でも諦めず、したたかだ。我が兄上の血に連なる者は、どうやらそんな女性にょしょうばかり選ぶようだな」

 男はそれから、そっと腕を掴んだ手を撫でてくれた。まるで祖父が孫にするようなやさしさが、そこにはあった。

「俺をそなたの子にしてくれぬか」

 最初、何を言われたかはわからなかった。だがすぐに意味をのみ込む。

「えっ……ど、どういう……?」

「俺はこの川で長いあいだ、身をすすいでいた。罪科を負っていたので、それを洗い流しておったのだ」

 男はそう言うと、川へ視線を向けた。「あの川の流れは表面は緩やかだが、中は激しく、雪解け水のようにひどく冷たい。だが、俺は俺の負った罪科をどうしても洗い流さねばならぬと、ずっと耐えておった。数多のひとを殺した罪、騒乱を起こした罪、家を裏切った罪……を置いて死んだ罪」

 男はそれから、ゆっくりと視線を戻した。

 罪、という言葉がひどく重い。

「そして、ついでとばかりにあやつの罪も俺が代わりに負って、洗い流しておったのだ。だから、ふたりぶんだ。おかげで思ったより歳月を費やしてしまったが……なんとかやり遂げた。俺の忍耐力ときたら、地獄の閻魔さまも根負けするというものぞ」

 そこで男は声を立てて笑った。

 自分の着物の襟元にふれ、彼はつづけた。

「この着物は最初、俺が犯した罪で真っ黒に染まっておったのだ」

 真っ黒だった着物が灰色になるまで、彼は自分の罪を洗い流していたのだ。ふとそう考える。

「ただこの着物は白くはならぬ。生まれつき、ひとは灰色だそうだからな。俺にできるのはここまでだ。――さて、そこでそなたが流れてきた。まだ魂の入っておらぬ子を宿したそなたがな。……そなたを拾い上げたのは何も親切でしたことではない」

 男の顔が一瞬、険しくなった。「これも俺が犯す罪かもしれぬ」

「……それはつまり、わたしの子として生まれたいから、わたしを助けたってことですか」

「そなたは敏いな」

 男は目を瞠った。「そのとおりだ」

 思わずまばたいた。

 まじまじと男を見つめる。

 男らしい、すっきりとした顔立ちだ。姿はとてもいいだろう。それに、いやに見憶えがある気がする。夫にも似ているように思えたし、夫の父や、祖父の若いころの写真にも似ている気がする。

 赤の他人とは思えない。かといって自分の身内にもこんな男はいない。

 つまり、夫の身内なのだろう。するりとそれがのみ込めた。

「あなたは昔に死んだの?」

 まず気になっていたことを尋ねた。

 男がうなずく。

「ああ。死んでからどれほど経ったかはわからぬ。そなたの様相からするに、かなりの歳月を経ただろう。そなたのような装束を身に着けた者は、俺の生きたころにはいなかった」

「そうでしょうね。今は着物を着てるひとは少ないから」

「なんと、そうなのか」

 彼は驚きを露わにした。「そのように暮らしのさまが変わっていたとは……」

「あなたはつまり、生まれ変わりたいのね」

 用心しながら問う。

 ひとをたくさん殺したと言っていた。それが男の性格によるものなら、すぐにうんとは言えない。そう考えたのだ。

「それは、どうして?」

「……どうして、か」

 ふ、と男は口もとをほころばせた。「そのように契を交わしたのでな」

「契を……誰と?」

 この男がもし何百年も前に死んでいたら、その契を交わした相手もとうに死んでしまっているのではないのだろうか。

「我が式神、……いや、我が友だ」

 式神、という単語に、ひどく懐かしい気持ちになる。

「式神って、紙人形でしょ?」

 そう言うと、男は目を丸くした。

「そなたは式神を知っておるのか」

「子どものとき、友だちが作ってたわ。わるいことが起きそうなとき、身代わりにしてたの」

 子どものよくやる、意味のないおまじないのようなものだと思っていた。幼なじみはたまにそうやって、折り紙で折ったような奇妙な人形をくれた。その人形はいつもどこかへなくしてしまったが、それを話すと、なくなったならだいじょうぶよ、と彼女は言ったものだ。あれが身代わりになってくれたのよ、と。

「では術使いが身近におったのか」

「術使い?」

 思わず首をひねる。「あかりちゃんはそういうのじゃなかったと思うけど……でも、たまにおまじないとかしてくれたわ。わるいものが近づいてこないようにって」

 不思議な幼なじみは今はどうしているだろう。あの幼なじみと一緒に遊んでいたら橋の下で女のひとが死んでいるのを見つけたことも思い出す。あの女のひとが抱きしめていた赤ん坊が、幼なじみの弟になったことも。

 中学を卒業してから今までずっと忘れていて、思い出しもしなかった。幼なじみが弟に、あんたは橋の下でわたしが拾ったのよ、と言うのも、冗談だと思っていたが、事実だった。

「俺の……俺の式神は紙人形ではなくいっぱしの化生でな。かわゆき雛鳥を拾ったと思ったら、妖力を持っておって、俺と話せた。……俺はあやつを手厚く労り、それを恩に感じたのか、あやつは俺を慕ってついて回った。俺たちはいつもどこにでも一緒に行ったものだ。……あやつは死出の旅も俺とともにと考えていたようだが、俺に、……それはつらくてな。あのように愛いやつが、俺のようなろくでなしの大罪人とともに地獄へ堕ちることなど憐れに過ぎた」

 そこで男は苦笑した。「俺のようなろくでもない主でなければもっと長く生きられるであろうと、俺が死んだらべつの者に仕えよと言うたのに、それはいやだとごねおったので、では必ず再び生まれて迎えに行くと言ってやったのよ」

 男の顔に浮かんでいたのは、悲しげな、それでいて懐かしむような、愛おしむような表情だった。

「あやつはそれを守って未だに俺を待っておる。……ときにその心を闇に明け渡しそうになりながらも……愚かな話ぞ。憐れなことをしたものだ、俺も」

 そこで男は溜息をついた。疲れたようにうなだれる。

「ここでずっと罪をすすいでおってもよかったが……あやつが待っておるならば、どうしても現世に舞い戻らねばならぬ。それに、斯様な地であれども、罪をすすいで穏やかに過ごして、ずっとおってもよいかとも思わぬでもなかったが……あやつがいつまでも待っておるならば、現世に戻らねば男が廃るというもの」

「なるほどね。……約束したなら責任をとらないとだめだわ」

 ところで、と改めて男を見る。「あなた、人殺しをいっぱいしたっていうけど、もうしない?」

「せずに済むならもちろんのこと」

「わたしのいる今の世界は、そういうことはしたらだめなのよ」

「あいわかった」

 男は重々しくうなずいた。「では、せぬ」

「わるいことも、だめよ」

「餓えて死にそうになっても、食いものを奪ってはならぬと?」

「餓えて死にそうになることはないと思う……たぶん」

 今の時代、それはよほどのことだろう。

 とにかく、と掴んだままの男の腕を軽く叩いた。

「わたしがお母さんになったら、必要なことはぜんぶ教えます」

 そう言うと、男は目をまんまるにした。

 その瞳がたちまち潤んで涙が溢れ出す。

「……そなたは俺をゆるすというのか。その身に宿すと……」

「これも何かのご縁なんでしょ?」

 男が泣いたのが憐れで、いとおしくなってきた。息子に感じるのと同じ感覚だ。思わずその首に両腕を回して抱き寄せる。

「泣かないで。どうせ生まれてからたくさん泣くでしょう」

「そう……だな」

 男は笑いに滲んだ声で言うと、手で顔を拭った。じっと見上げてくる。

「では、これからはそなたが俺の母だ。よろしく頼む」

「そうね、よろしく、えっと……」

「俺は宗近弦次郎靫正と申す」

 男は、そう名乗った。




 目を覚ますと白い天井を背景にして夫が覗き込んでいた。

蓮見はすみ

 旧姓で呼ばれ、思わず笑う。

「せんせい……どうしたの」

「よかった……」

 彼の声は震えていた。しっかりと手が握りしめられているのがわかる。腕には点滴の針が刺さっていた。

「君は、裏山の沢に落ちて……流されたんだ」

信夫しのぶは?」

「お母さん」

 そこでかぼそい声がした。すぐに息子が覗き込んでくる。

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

 泣き顔の息子が繰り返す。夫が腕をのばしてナースコールを押すのが見えた。

「お母さんのいうこと聞かなくてごめんなさい……怖いカラスが、あっち行けってぼくに言ったよ。でも、そのカラスが、お母さんを、引っ張り上げてたんだ。ぼく、見たよ」

「そのカラス、お父さんもお祖父ちゃんも会ったカラスかしらね」

 答える自分の声がひどくかすれている。その話は結婚する前に聞いたことがあった。実家の裏山には大きなカラスがいて、山奥深く迷い込むと追い払われると。カラスのためにつくられた祠もある、と。

 ナースコールで呼ばれた医師と看護師がやってきた。てきぱきと脈を測られ、いくつかの質問をされた。医師が言うには、妊娠していて子どもは危なかったという。しばらく安静にしているようにと言われた。

「子どもはだめかもしれないとは言われた」

 医師たちが去ってから、夫は告げた。思わず微笑む。

「だいじょうぶよ」

 これは幼なじみの口癖だった。いつでも何があっても、だいじょうぶよ、と彼女は言ったものだ。

 今ごろどうしているのだろう。会いたいな、とふと思う。

「名前、教えてもらったから、その子に」

「……名前?」

 夫が首をかしげる。

「宗近弦次郎靫正っていうんですって。でも、弦次郎じゃうちのジロちゃんとかぶっちゃうから、靫正って名前にしましょう」

 何を言い出したんだ、という顔を、夫はした。

「つまり君は……臨死体験でおなかの子に会ったというのか?」

 だが、理系らしい理解をしたらしい。うなずいている。

「簡単に言うとそうなるわね」

「あかちゃん生まれるの?」

 息子がおずおずと尋ねる。自分を捜しに出たせいで母親が死にかけたことはわかっているようだ。しばらくはいい薬になるだろうが、これが傷跡にならないようにしなければと考える。

「そうよ。信夫はお兄ちゃんになるのよ」

「ぼく、おにいちゃんに……?」

 息子はぱっと顔を輝かせた。「いもうと! 妹がほしい!」

「あー、それは残念だけど、たぶん男の子ね。弟よ」

「弟でもいい! ぼく、かわいがるよ! おもちゃだって貸してあげるんだ!」

「無事に生まれるように気をつけないとな」

 夫がそんな息子の頭を撫でた。「だから、お母さんとお父さんのお手伝い、してくれよ」

「うん。おてつだいする!」

「きっと元気な子よ。……とっても」

 そう言って夫に笑いかけると、彼は不思議そうな顔になった。

「君はまるで、何もかもわかっているようだな」

「そりゃあ、一足お先に会ったからね」

 あの男はどんな子になって生まれてくるのだろう。

 ただひとつ気がかりなのは、彼の言っていた「あやつ」のことだ。彼を待っているという相手。無事にその相手に会えるだろうか。

 ふと窓の外を見ると、生い茂った緑の中にぽつんと白い鳥が止まっているのが見えた。大きな鳥だ。

「あら、あれ、白鳥かしら」

 声をあげると、夫がそちらを見た。次の瞬間、とりはあっという間に飛び去ってしまう。

「あれは……」

 夫は驚いたように目を瞠っている。「裏山のカラスじゃないか。町まで降りてきたのか」

「カラスなの? 白いのに?」

 ふしぎなカラスだ。

「あのカラス! おかあさんのこと教えてくれたんだよ!」

 息子がそう主張した。子どものたわごとかと思ったが、夫もうなずいている。

「あのカラスは……昔から裏山にいると言われている。じいさんも、親父も、おじさんも、兄貴も、子どものころに会ったらしい。あの烏天狗がずっとうちの家系を守ってくれてると言われて、俺はそんなことがあるかと思っていたが、……君を見つけたとき、あのカラスが傍にいたんだ。だから、本当に守ってくれているのかもしれないな」

 この子もいつかあのカラスに会うのかしら。

 そっと、手を腹にのせて、そんなことを考えた。

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あやかし主従の夢現(ゆめうつつ) 椎名蓮月 @Seana_Renget

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