第4話 キャベツ畑、コウノトリ、赤ちゃん
子供にはコウノトリは生を運ぶとともに死を運ぶ鳥だと教えている
「かわいい子どもたち。あかんぼうがふえるりゆうをしってるかい。コウノトリがあかんぼうをくらやみからつれてくるんだよ。人々のいうように、コウノトリは生をはこぶ鳥だ、しかしね、気をつけるんだよ。それはどうじに、死をはこぶ鳥でもあるのさ。
其は淫靡なる病に侵された狂鳥。うすぐらい夜に現れ、おなじ暗闇からきた犬猿なる双子の姉妹、呪われた妹のタナトスと穢れた姉のリビドーを撒きちらす者。この鳥が巣をはった家には、こいつらときらわれものの虫たちが生体工場のように延々と増殖し、終わりなき不幸にとり憑かれるのさ。
暗闇のキャベツ畑には光が届かず、もやしのような奇形のキャベツばかりが育つ。そういった出来損ないのキャベツに特殊な菌の胞子が付き地衣類や冬虫夏草のように植物に寄生して菌糸をはびこらせ、奇妙なキノコ、花のような何かを咲かせると大量の赤ちゃんが眼生える。交尾はこれを胎内で行っているに過ぎない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます