5
俺はなぜここにいるのか分からない。宴会の場にいたはずなのに、気付いたらベッドの中だ。
「おいダスト、一体何があった?」
「お前、覚えてないのかよ」
「まったく」
「分かった。じゃあ教えてやる」
......
「助手君、そんなに飲んで大丈夫?」
「大丈夫ですって」
「おいカズマ!スピーチでもしてくれよ!」
「ったく、しょうがねぇなぁ!」
「みんな!今日はありがとう!」
「何言ってんだ、水臭いじゃねぇか!」
「そうだそうだ!」
「ここで魔王を見事討伐した俺は、宣言する!」
「このまま流れに乗って、俺だけのハーレム王国を作ってやるぜ!」
...
「「「「「は?」」」」」
「それで、女どもの怒りを買って、今、血眼になってお前を探してる」
何馬鹿なこと言ってんだそのときの俺!
「あの後すぐに寝ちまったお前を俺がここに隠さなきゃ、今ごろ袋叩きにされてたぞ?」
「悪い、迷惑かけて」
「いいって、俺にも責任あるし」
「?なんでだよ」
「実は、こんなことになるとは思わず、街中に言いふらしたんだよ、お前の発言」
「おい」
「悪い!本当に悪かった!」
「冗談じゃねぇ!街中の女に殺意向けられる身になってみろ!」
「そのうち、なんか奢るよ。それよりどうするんだ?直にここも見つかるぞ」
「取りあえず、ウィズの店にでも行ってみるか。ウィズが参加してるとも思えないし、きっとかくまってくれるさ」
「でもよ、あそこにはバニルの旦那もいるだろ?」
「それが?」
「きっと面白がって、お前を突き出すんじゃないのか?」
確かに、その不安はある。だがしかし、
「大丈夫だろ?あいつは性格悪いが、人をおちょくるくらいしかしないし、それに、俺はあの店のお得意様なんだ」
「そうか、まぁ気をつけろよ」
「お前は手伝ってくれないのかよ」
「女を敵に回すと恐いからな。ここで悪友の無事をパッドの女神にでも祈っててやるよ」
「あぁそうかよ」
クリスは俺の捜索隊に参加していないだろうか?もし参加しているのなら、その祈りは無駄になるのだが。そんな心配と共に、部屋を出た。
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