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ギルドに着くと、待ち受けていたのは、他の冒険者やギルド職員の歓声だった。
後ろには『おかえりなさい そしてありがとう』と書かれた旗が立っている。
「どう、カズマ!サプライズよ!」
そう言いながらこちらへ向かってくるアクア。既に酒の臭いがする。
「私たちが帰ったときのために、用意していてくれたのよ」
「アクアさんから聞きました。無事、魔王を討伐されたようで」
そう言ったのは、このギルドのお馴染みスタッフ、ルナさんだ。
「あぁ、お前たちは英雄だぜ!」
「俺はいつかやってくれると思ってたよ」
「私たちみんな尊敬するよ!」
次々と上がる声、その中には、顔見知りが何人かいた。
「ギルド職員一同、感謝しています!今日は楽しんでください!」
こうして、俺たちを称える宴が始まった。
みんな、騒ぎ、楽しんだ。アクアは宴会芸を惜しみもなく連発してたし、めぐみんは興奮の余り、爆裂魔法の詠唱をしかけていた。魔力切れでなければ、ギルドが吹き飛ぶところだ。ダクネスやゆんゆんは、冒険者たちに料理を勧められて、困惑してたな。二人とも、人付き合い苦手だし、ダクネスは、マシになったが、ゆんゆんはまだぼっち性が残っている。
あれ、でも友達ができたんだっけか?
仮面の悪魔とか、金髪のチンピラとか。
そんなことを考えているとクリスがやって来た。
「助手君、楽しんでる?」
「次に会うのは俺の願いが決まった時じゃなかったんですか?」
「今はクリスだからいいんだよ」
「前も思ったんですが、お頭ってこういう宴会好きですよね?」
「まぁ、楽しいことはだいたい好きかな?というか、今日の主役は君たちなんだから、もっと飲みなよ」
「分かりました、では遠慮なく」
その後のことは余りよく覚えていない。ただ、目が覚めたとき、俺は宿屋のベッドの中だった。
隣には、金髪のチンピラ冒険者、ダストがいた。
「起きたかカズマ。お前、大変なことやらかしたな」
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