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俺が現世に戻って見ると、いきなり、重みを感じた。
よく見ると、それは俺にしがみついためぐみんだった。
「ただいま」
「か、カズマ、おかえりなさい!」
めぐみんは笑ったが、顔に涙の痕がついていた。
「おいおい、なんで泣いてるんだよ。俺が死ぬのは、これがはじめてじゃないだろ?」
「でも、カズマの身体がボロボロで、蘇生できるか分からないってアクアが言っていたので」
「おい、アクア」
「だって、本当に酷い状態だったんだから!手足がもげてたし、焼け焦げてたし!私だって、心配で...」
そのときめぐみんほどではないが、アクアにも泣いた痕跡があるのを見つけた。
「悪かったよ。ありがとな」
「ふん、当然よ。これを機に次からは私をもっと崇めなさい!そして食べ物とお酒とお金を捧げなさい!」
「俺の感謝を返せ駄女神」
結局こいつはこんなやつだ。まあ、その方が安心する気もするが。
「カズマ、アクアを許してやってくれ、口ではこんなことを言っているが、お前の身体の再生と蘇生を必死に行っていた」
そう言うダクネスは、さすがに泣いてこそいないものの、手が多少震えている。
こいつも、俺のことを心配する一人なんだ。
俺は立ち上がり、後ろを見る。そこには、大破した魔王城があった。
「俺たち、本当に魔王を倒したんだな」
「ええ、これでようやく天界に帰れるわ」
「その前に、アクセルへ帰ろう」
「...そうね!」
「よし、帰るぞ、めぐみん、ダクネス」
「はい!」
「ああ!」
俺たちは街へ向かい、歩きだした。
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