この勇者と仲間に平穏を!

1

 俺は今、屋敷に閉じこもっている。これは決して、引きこもりの性が戻って来たわけではなく、外に出れない立派な理由がある。

 俺たちが魔王を倒した直後まで、話を遡る。


 俺がいるのは、いい加減見馴れてきた白い空間。そして目の前には、何度見ても飽きない銀髪の美少女。どこかのポンコツと違って、真の女神だ。

「お久しぶりです、カズマさん。といっても下界で何度か逢っているので、そこまで久しぶりでもないですね」

「はい、お頭には世話になりました」

「魔王討伐、おめでとうございます」

「ありがとうございます。エリス様、結婚しましょう!」

「あなたの冗談に慣れてきた自分が怖いです」

冗談ではないのだが、しかし、苦笑いという新たなエリス様の可愛い表情を見れたから別にいいか。

「どうしますか?このまま、あなたの願いを叶えてもいいですが」

「いえ、まだやらなきゃいけないことがあるので」

「分かっています。次に逢うときは、あなたの願いを聞かせてください」

そして、大きな門が現れる。エリス様は女神から、あの盗賊の表情になり

「またね、助手君!」

「ああ!」

さあ、俺の仲間の元へ帰ろう。

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