第14話 ダイダラス帝国への疑問
「しょ、しょ、しょ」
ドアの外から妙な声がするので振り返ってみると、ユキメがいた。
「将軍!ライオネス将軍じゃないですか!」
ユキメは興奮気味に通信魔法になっている鏡に近づいた。
『おお、ユキメじゃないか。久しぶりだな。元気でやっていたか。』
「はい!元気いっぱいです!」
確かにユキメはいつも元気いっぱいというか、うるさいくらいだし余計なことを喋りすぎる。
『どうだ、新しい仕事は。そっちの生活にも慣れたか?』
「はい!見たこともない建物や食べ物がいっぱいあって面白いです!こっちの世界は豊かでいいですねー。いつかダイダラスの子たちも連れて来てあげたいなあ。」
なんだか将軍を見てからユキメのテンションが高いというか、嬉しそうに見える。
「ユキメは一時期ボランティアで小学校の先生もしていたんだ。今でも子供達からすごく人気があるみたいだぞ。」
俺の気になるところとちょっとずれたところを肉まんがフォローする。しかし子供に人気というのは想像できる。いつも笑顔で元気があるというのは、俺には真似できない1つの才能だ。
「あ、仕事ももちろん頑張ってます!絶対啓介様をお連れしてみせます!」
それを俺の前で言うのはどうなんだ?
『ああ、期待しているぞ。』
ユキメはよっぽどこの将軍を慕っているのだろう。ユキメの心から嬉しそうな顔は初めて見たかもしれない。
『勇者殿。話の途中だったな。聞きたいことは決まったかい?』
ユキメが来てから数日が立つが、異世界勢と関わる度に色々と疑問はたまっていた。
異世界に行かないためとか、逆に救うためとかじゃなくて、単に好奇心だ。目の前で不思議なことが色々と起きているのだからそれを理解したいと思うのは当然といえば当然だが、”勇者”を断ろうとしている手前質問するのも興味を持ったように思われて癪だ。
しかしそれでも1つだけ、聞いておきたいことがある。
「魔法とは何だ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます