第4話 青鳥
ドナルド・トランプは退屈していた。
いや、大統領という職務は、就任前の想像以上に忙しいものには違いなかった。だがこの日この時間たまたま、スケジュールに急遽ぽっかり穴が開いてしまったのである。
彼は自らのオフィスで、ぼんやりとツイッターを眺めていた。
(なんかつぶやこうかな……そういや、来月はジャパンに行くんだっけ。ジャパン、スシ、テンプラ……)
と、タイムラインに流れてきた一つのツイートが目に留まった。
「東京都知事として、トランプ大統領の訪日を歓迎いたします! 東京の魅力をぜひ知ってくださいね」(英語)
(ツイート主は、東京の知事か。シンゾーの部下かな?)
普段なら、周りのスタッフに確認するところだったが、ちょうど近くに詳しそうな人間がいない。彼はツイートを引用する形で、こう投稿する。
「Thank you, YURIKO!」
この投稿はたちまち、小池とトランプの良好な関係を象徴するものとして拡散された。
特に、立ち上げとともに積極的なツイートで、たちまち15万フォロワーを獲得した「希望の党」アカウントは、これを繰り返しRT。「トランプと信頼関係を築いている安倍首相でなければ、この国際情勢を生き残れない」という自民側の主張に、大きなダメージを与えることとなる。
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