第3話ブルゴーニュ大公国の血

欧州で3大事件が有るとしたら次の通りだろう。

オスマン帝国の躍進

イベリア半島のレコンキスタ完了

ブルゴーニュ大公国の消滅


特にブルゴーニュ大公国の消滅は、オスマン帝国の躍進並みに欧州には衝撃的で有ったのである。

ブルゴーニュ大公国は突如として消滅した、戦争で攻め滅ぼされた訳ではなく、忽然と世に消えたのである。

欧州で1.2を競う超大国の消滅は流石に皆が驚いた。

ただし驚かない国が1つだけ有った、フランス王国である。

フランス王国には危機感が有った、首都パリの目と鼻の先にフランス王国ですら勝てない最強の国が目の前に有り、本気でフランス王国に侵略戦争を仕掛けに行くという情報は耳に入っていた。

当時のブルゴーニュ大公国は欧州で最強の軍隊を持って居たのであった。

欧州の軍隊の基礎は低地諸侯のマウリッツが考案した歩兵、騎兵、砲兵を合わせた3兵戦術なのだが、ブルゴーニュ大公国は金の力で100年も前に3兵戦術の基礎を作り上げた。

しかも全兵隊に朱色の十字架を身に付けていたのであるから、兵士達の一体感による練度は相当高かった。

フランス王国は1度たりともブルゴーニュ大公国に攻め入った事はない、何故ならせっかく統一しかけたフランス王国を再度引き裂かれる可能性が高かったからだ。

1度戦争で負けたら全てが終わり、そんな運否天賦をフランス王族は誰もしたくなかったのである。

正面で勝てないのなら裏から仕掛ければいい、フランス王国のやり方は徹底した謀略つまりは暗殺であった。

ブルゴーニュ大公国最後の君主。

シャルルードーヴァロワーブルゴーニュ大公は

ブルゴーニュ大公国の国益を常に考えていた君主らしい君主であり、ブルゴーニュ州と低地地方ネーデルランドの接続を切に願っていた。

ブルゴーニュの大公なのにブルゴーニュの領土がフランドルと接続していなかったのである。

ブルゴーニュ大公のシャルルは本土接続の為に侵略戦争を仕掛けていて、運悪く負けてしまったのである。

そのまま捕虜に成ってれば祖父のジャン1世同様に莫大な金貨を支払ったはずでも有ったのに、相手はフランスの暗殺傭兵で有った為に謀殺された。

シャルルは徹底して運が悪かった、3度結婚でも男子後継者が残っておらず、更に1度の敗戦でその生涯が終わってしまった。

ただしシャルルは政治的には上手くやっていた、娘をオーストラリア皇帝に婚約させたのである。

ブルゴーニュ大公を暗殺したフランス王国の動きはスムーズな物であった。

まずは後継者の娘を拉致監禁させて幽閉させ、空位のブルゴーニュ大公国領土をフランス王国が奪えばいい。

それには豊かな低地地方ネーデルランドも含まれていた。

しかし誤算が有った、ブルゴーニュ大公はフランドルの国民に愛されていたのであった。

我らが姫様と慕う国民が、ブルゴーニュ大公国の娘マリーを解放しマリーは婚約者のオーストラリア皇帝に助けて欲しいと懇願する。


ブルゴーニュ大公国はここに消滅した。

しかしブルゴーニュ大公の血は生き残った。しかもブルゴーニュの本体は生き残った。

ブルゴーニュ大公国の本土はフランドルや低地地方ネーデルランドであった。

皆が誰しもブルゴーニュ大公国の事はブルゴーニュ地方のことをイメージしなくなったのである。


オーストラリア皇帝がブルゴーニュ公国を継承し低地地方ネーデルランドがオーストラリア皇帝領土となった。

マリーは息子を祖父の名にちなんでフィリップと名付けた。

ブルゴーニュ大公国という国は消滅したが、ブルゴーニュの血と意志は受け継がれたのである。

ブルゴーニュの意志それは、徹底した反フランスであった。

ブルゴーニュ大公国の大公を何人も謀殺してきたフランスを許しはしなかった。

代々ブルゴーニュ大公国の大公は金羊毛騎士団ゴールデンフリークスの象徴の金色の羊のペンダントを身に付けていた。

それはブルゴーニュ大公国(低地地方)の継承者の証でもあった。

以降子孫たちはオーストラリアやスペインの皇帝になったが、彼らは低地地方ネーデルランドを愛し、そこに住み続けた。


ブルゴーニュ大公国は血統のサラブレッドだ

ブルゴーニュの血を受け継いだ子孫で優秀な者がいた、フィリップ3世とカール5世であった。

カール5世はブルゴーニュの意志を継いだ。

すなわち徹底した反フランスで有った。


カール5世はヨーロッパのほぼすべてを手中に収めた、カール大帝の再来とも呼べる程であった。


ブルゴーニュ大公国の本当の意味での消滅は、ネーデルランド《低地地方》の独立運動が起こった時であろう。

ネーデルランドが独立すると誰もブルゴーニュ大公の継承者を名乗ることは無かったのである。

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ブルゴーニュ大公国 シャルルードーブルゴーニュ @balalaika0604

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