幻界からの翼より

夕凪

0-1 遥かな夢

空想の世界・・・・・それは、誰しもが、必ず想像するものである。

例えば、鳥のように空を飛びたいことや魔法や超能力を使って人の為になるように使いたいという願望もありはたまた突如異世界に行って現実世界での知恵はたまたとんでもない能力を使ってあらゆる願望を手に入れると言う思考の持ち主がいる。



だけどそれはあくまで非現実的な力・・・・・・それを持つことは科学が発展した世界では不可能だ。人は誰しもその力を手に入れたいそれは、当たり前だ。

だけど現実はそうはいかない。長い人生を歩む中必ず捨てなければいけないものだ。



例えば、サンタクロースは実在すると信じている子供がいる。子供ながらそれは初々しいことだ。だけどそれが、大人になって続いてたらどうだろうか?



人は誰しも白い目を見るだろう。いい年もなってサンタクロースが実在するとか魔法や超能力を使いたいというのはただの愚か者としてのレッテルを張られるだろう。


そんなものはあくまでクリスマスやひな祭りといった期間限定のイベントだ。

大人になるとそれに着いていくのが馬鹿らしくなっていくのが、現実主義な構想を持つ人間の力だ。

魔法や超能力そして天使や龍などという非科学的な物はあくまで人間が生み出した産物とそう思ってる。それは、一理あると思う。



なぜなら今までの歴史に起こる超常現象は、自然現象が原因だ。魔法なんてそれは、その理由の為の言い訳に過ぎないおとぎ話だ。

実際にそうだ。今まで魔法や超能力といった力は民族的に語られるがなぜか公(おおやけ)に広まること無かった。



それはつまり人間が起こす超常現象は、あくまで人間の構想だったと確定したわけであり、つまりは・・・・・この世界には、人知を超えた力は、表の世界には存在しないのは確定したのだ・・・・・・・・・



あくまで表の世界にはね・・・・・・・・・








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





その少年は頻繁に同じ夢を見る。最初に見たのは、小学生低学年の時の七夕の日、

家族揃ってで七夕の歌を歌っている最中に母の体が急激に劣って入院したその一週間後にその夢を見る。




その夢は、遥か彼方の異世界の地に少年は足を踏み入れ幻想的な世界をただただ鑑賞するだけの夢だ。


その世界は、地上より遥か高度に位置する天空都市で、その街並も一昔前の中世ヨーロッパの広い石造りの家がそこら中に建設されそこには白い羽で空中を遊泳している天使達がそこで、生活する夢だ。


無論その少年はその世界に触れたり味わったりとの鑑賞はできないただ傍観するだけだ。



だけど少年は子供心ながらその光景に魅了されそれを糧に今日まで生きてきた。

そして、夜は明け現実の世界に戻ることには、ある奇妙な事が起こる。目の前には天使の一人が目の前に舞い降りる。それは、男か女それは不規則だ。だけどかならずそれは、目の前に立つと顔がぼやけ怒ってるのか笑ってるのか分からないくらいに顔に靄(もや)がかかりある言葉をささやく

「~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

言葉は何を言ってるか聞き取れない。いや正確には日本語や英語といった言葉ではない。その言葉放った後に全てが明るくなり目を覚める。





「・・・・・・・・く・・・・・・ん」


「よ・・・・・・くん」



暗い世界の中何度も同じ声が聞こえる。




「京君・・・・・・・起きて・・・・・」



「ん・・・・・・・・・・・朝か・・・・・」


少年は、目をこすりながら目の前にいる同世代のにっこりと笑った顔を見て寝起きのせいを含めて苦い表情をする。


「おはよう、京君やっと起きた。ほらさっさと着替えてよ」

「うるせえな。日和(ひより)勝手に人の部屋入ってくんな・・・・・」


暖房が強く効いてる一室の中熱いほど厚着をしながら少年に挨拶をする茶髪の髪をする少女がいる彼女は、『国土 日和』その少年の幼馴染で家が近所の女の子で頭に小さな団子のような髪を結ってるのが特徴な少女だ。



彼女は、自分のマフラーを握り締めながらその少年を起こしたのだ。それが、国土 日和の日課である。




「受験全く京君はこのガンガン効いた暖房の中でシャツとパンツ一枚で寝るとか・・・・・少しは服を着こんで寝たらどう?」

「はあ・・・・」

少年はため息した。



「朝っぱらからうるせえな。そんなのお前には関係ないだろ。こっちは、この前の受験で結構疲れているんだよ。それより、何、人の部屋に入ってんだ?すぐ着替えるから出てけ・・・・・・」

少年は、熟睡しているのも関わらず目にクマか出き、死んだような目で訴える。それもそのはず彼は、一昨日の公立高校の受験で全てを出し尽くしたからだ。その証拠に机には山積みの参考書と書きなぐったノートがそれを物語っていた。



「な、なによせっかく起こしてあげたのにそれが、幼馴染に言うセリフ?」

「幼馴染関係ないだろ?それ、いいから出て行ってくれ。すぐに着替えるからよ」

「分かったわよ。いつも通り家の前にいるから・・・・・早くしてよ。わたしお腹すいたんだから」グーーーーーーーー




日和という幼馴染は空腹をアピールするようにお腹を鳴らしながらそう訴えた。

のだが、その少年は、普段の目つきの悪さに加え朝が弱いために機嫌は一層悪くなった。




「うん。分かった。とりあえず家の前で待ってるから早く来てね」

そう言いながら、音を立てて扉を閉めた。日和が完全に出て行ったと確信すると

少年は再び、横になり、ため息を吐く。

彼にとっては、起こしてくれることは、別にしなくていいし、幼馴染だからといっていくら何でも過保護すぎる行動な為に彼はイラついてしまってる。

だが、そのイラつき度は、軽い程度だが大半は、あの何度も見る夢だ。


「また、あの夢か・・・・・・・・最近多いんだよな」

舌打ちを軽く鳴らして天井を見据える。



彼にとってあの夢はあれ以降約一か月後に同じ見ることになったが、その期間は成長し、現実と仮想の世界の区別が分かる頃には段々とその機関が短くなったのだ。

そして今では、仮眠を含めての眠りを含めてだと二日に一回は必ずその夢を見ることになっているのだ。




なぜその夢を突如として見たのか分からない。ただ言えたことは、その時の七夕の日は、ただ例年のように家族とそろってテレビを見ながら笹の葉に願いの短冊を付け願いを念じながら歌う事をしただけで変わったことは、母が倒れたくらいだ。それ以外の変化はない。だが、あれ以降母の体調は急激に痩せぼそり入院と退院を繰り返し、今もなお病院で入院してるから恐らくそれが原因だと思う。

だが、彼にとってはその夢については単なる日にち薬で成長すると時期に治ると思ってる為、現にその同じ夢を見てることは、誰にも言ってないからだ。




彼には、その夢以前に自分のやりたいこともなくのんびりと過ごしている。

今の彼の能力は、成績、運動神経も平均より少し上で秀才より少し下のランクだがそれなりの友人や幼馴染もいるし、なにより受験シーズンの中、最近、同じクラスメイトに突如告白をされ付き合ってるのだが、それに対しての喜びも全くない空(から)の人間だ。

その彼であるこそ、超常現象という摩訶不思議なものを人一倍信じないのである。





ピピピピピピピピピピピピ

スマホからの着信音で彼はダラダラと起き上がり、スマホを取りだしLINEでのパジャマ姿で胸がはだけている寝顔画像と内容を軽く読ん後、、ため息をする。



内容は、

『鳴瀬、今起きてる?わたし今起きてる所だけど、前の受験の疲れ、なかなか癒えないわ。とりあえず学校で待ってる。返信忘れんなよ』

『あんたも疲れてるなら彼女の寝起き姿でも見とけ。一応確認するけど付き合ったばかりだからこれ以上エッチなの見せないから期待すんなバカ』



「別にどうでもいいわ・・・・・」

そう、つまらないそうにしながら、適当に連絡を返信した後、ようやく重い腰を上げ、自分の部屋の鏡を見てだらしない顔を見る。




「はあ~~~~~~とりあえず準備するか・・・・・」

幼馴染をこれ以上待たせない為に彼、鳴瀬 京(なるせ きょう)は、受験という面倒なイベントを終え、また退屈で憂鬱な一日を過ごすことなる。



だが、その一日は、彼の常識を覆すよな日になるとは予想だにしなかった・・・・・・




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