微笑みだけが続くなら、悔やみもそうでないか

そう、世間は不満を言っていた。

なぜ悪い人に僕の大切な時間を

与えないといけないのかと。


そう、世間は不自由に不満を抱いていた。

なぜ僕の時間が僕のためだけのものに

してはだめなのかと。


なら、考えたいの、

もっと知りたいの。

一体僕が誰か、

誰が僕かを。


痛いほど悔やむじゃないか。

友達が悪人になってからの

心変わりして立派な人間になる時を。


なぜ僕が味方になれなかったのか。

なぜ僕が知ろうともしなかったのか。

今彼がこうして頑張る。

我が努力よりも上を行く。


地獄に一旦入ろうとした人間だ。

そしてあの挫折を知ったんだ。


例えば、

あの「声の形」の虐め屋とか、

あの僕を傷つけた誰かとか、

僕と変わりのない両手足を持つ

万全な人間じゃないか。


なら、考えたいの、

もっと知りたいの。

一体僕が誰か、

誰が僕かを。


何故僕が悔やむのか。

なぜ僕が冷たいのか。

いつも思っている。

心より温かいが、

もっと熱くなりたいの。


だから、僕は行く。

人の上に、善人の猶更上に。


苦しみの多い方へ。

人に一回殴られたら、

二度目のパンチを願うやつに、

人に一回騙されたら、

二度目の詐欺を求めるやつに、

僕はなる。


マゾヒズムじゃない。

苦痛に快感を覚えないんだ。

痛む時には痛みを感じるんだ。


それでも、

二度目のパンチを願う。

二度目の詐欺を求める。


あれは、

僕のためじゃない。

君の、笑顔のためなんだ。


こうして、

僕に愛されている事が

君の前に現れていくんだ。


君が否定できないほどに、

僕はあの愛を輝かせるんだ。

この身を滅ぼそうとしても、

僕はあの愛を輝かせるんだ。


痛いから我慢できるのは、

悪人の心に眠る純粋の愛を揺らすためなんだ。


その純粋の愛が目覚めるまで、

僕は悪人に対して、

気張って揺らすんだ。

誰だって同じさ。


そんな優しい人間は

この世に滅多にいないから、

むしろなったほうが、

珍しくならないのか。


人生は微笑んでいくだけなら、

悔やんでいくこともあるんじゃないか。

微笑むためだけの人生は

つまらないんじゃないか。

酒ばかり飲むと、酔っぱらって、

現実から目を逸らさせてしまうだけ

じゃないか。


治安がよくなる今じゃ、

悪人にも助ける価値があるという使命を

忘れているんじゃないか。


悪役の人が心変わりするまでの

必要な燃料が人間であれば、

その燃料に、

君もなれると、

一緒に泣こう。

なぜなら、

僕は君の仲間なんだから。


微笑むだけではない

運の悪い事をチャンスにする

味方なんだから。

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