赤点の黒歴史
赤点の黒歴史に染まった真面目な、立派になる小石
衝動に駆けられた。
人食いの衝動なんだ。
人と人は出会い、
僕は人に出会う。
昔から、祭りや部活は
大切な思い出だった。
昔ながら、社交的になる
唯一のチャンスだった。
それ以外のことなら、
ストーカーや詐欺容疑者
と呼ばれそうになるだろう。
僕はゴミだった。
人と喋る事が苦手で、
人に押し黙るしかなかった。
喋ると何言ってんだこいつだと、
こいつには何もわからないと、
僕はよく言われていた。
人に嫌われるようになり、
人を嫌うようにもなった。
そんな僕なんだ。
そんな人間を恨む
僕なんだ。
ネットに逃げてきた。
結局は人間だらけだ。
リアルと変わらずに、
言われてばかりいた。
人に認められず、
作品も底辺に沈み、
みっともない小石が
あの用水路に入っても、
気づかれないままで
永遠の知らない所まで
沈んでしまったんだ。
海の殻が綺麗だった。
石も磨かずに多彩だった。
その色は自然に恵まれたと、
その形も自然に恵まれたと、
人は誉め言葉を唱える。
小石は綺麗だった。
一見もせずに沈んでしまった。
泥とゴキブリとともに
暗い場所で生きなきゃいけなかった。
いくら小石にだって
その固有なカビ付いた色も、
その再現しづらい性格な形も、
この世に二度と重なる物は
ないじゃないか。
人は固有な言葉もなく、
纏めた名前の小石と呼んだ。
僕はその小石なんだ。
人は僕に赤点を付けた。
僕は逃げ続けていた。
あの暗闇に食らわれないように
僕は逃げ続けていた。
寂しかった、泣いていたかった。
僕は小石なんだ。
赤点の黒歴史をもつ小石なんだ。
ゴキブリと同じように汚く見えて、
頑張るしかないと、
立派になるためだけに生きろと
役立つ物を作ろうと
それでも志した小石なんだ。
詩だっていい、
物語だっていい、
歌だっていい、
自分の身を滅ぼそうと、
自分の手でさえ使えれば、
なんだっていいさ。
衝動に駆けられた。
人食いの衝動なんだ。
人と人は出会い、
僕は
恨む人を切り殺し、
自分の価値観に合う人と
自分に仲良くする人とだけ
譲った世界に浸った人食いの衝動から
パンとアンがアンパンになるように、
美味しさを増すようなコンビで
人を愛で包む人食いの衝動なんだ。
汚れに塗れた小石から磨いていい。
僕は赤点の黒歴史を持った小石なんだ。
僕は、汚れた小石から磨いていくんだ。
僕はその日を待つんだ。
その日は
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