自分のコピーキャット

こっそりと雨に洗い流され、

足も服も髪の毛も濡れられて、

あの台風ほどの強さで吹く風に

真っすぐに僕は立ち向かい、

前へと進んでいった、足を運んでいった。


よくぞ、ここまで耐えた。

素晴らしかった。

旅は苦痛だったろう、

涙も沢山出したろう。


よかろう。


話はこれからだ。


未来の未知に立ち向かう君へ、

優しい言葉の雨で濡らそう、

光のように暖かく浴びせよう、

言葉のやさしさを。


いつも新しい物を出そうとするのは、

辛かったろう、大変だったろう。

ご苦労様でしたと、まず言おう。

次にやるべき課題に話をしよう。


作品を作る事とは、

発想だけではないんだ。

言葉の綺麗さだけでもないんだ。

簡潔さもインパクトも二の次だ。


何が大事なのか、

何がよいのか、

考えようじゃないか。


僕は思うんだ。

生き様っていうことだ。


人に届ける何かの温もりは、

唯の物語ではないことだ。

作者自身でも優しいまま

でなきゃいけないんだ。


だから優しい生き様を見ろ、

そこから学ぼう。

まずそれを身を以て知ろう。


それができなきゃ、

作品なんざ、なくたってよかろう。


僕は思うんだ、

優しくない人が優しいことを書くのは、

嘘になるしかないんだ。


目が鋭く、言語も抜群である。

そういう風に褒められても、

人に一言で、この作者はリアルでのゴミだっていうと、

いたくなるだろう。


実力で認められるより先に、

優しさでも愛でも認められたい。


それでこそ作者だ。

言葉にして書いていく、

粗末なものだっていい。


愛さえ込めて書いていけば、

愛は何だってするもんだから、

遠くまでいけるのさ。


人の目の届かない場所でも、

悪魔にならないこと、

そういう優しさで居られる事が、

心より愛されることだ。


そういう風に愛されて、

心より思っている。


やはり、作品とは、

自分の愛を込めた生き様、

その復元でもあるんだな。


まるで作品は、

自分のコピーキャットのようだ。

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