第3話<3/7> 珈琲
続いてリクエストがあった40冊について検討が始まった。小説とかノンフィクション書が多い。時折、プログラミングなど技術書が混じっているというのが中央高生徒個人で買って欲しいと願っている本の実態だった。
「今月のリクエスト枠で10冊かな」
音田先生がそう判断した。委員が後でこちらから推薦する事もあるので、一抜けさせる分は案外控えめになる。
3年生の
「1年生、あとネット書店の欲しいものリストで学校の登録はしているのよね。そちらで卒業生や保護者、地域の方がたまに寄付してくれるから漏れてもそちらには入れるから。リクエスト枠から漏れた分もチャンスはゼロって訳じゃないのよ」
先生には以前聞いていたけど大半の本は地元書店と毎年入札して購入先を決めている。装備やデータは先生と委員で対応するのでどの程度値引くか問われるけど金額はそれなりに大きいのでお得意様ではあるらしい。そしてたまにネット書店の運送便で届く分があって不思議に思っていたけど、寄付として卒業生らが代金を支払ってくれた本が届いていたという仕掛けだった。
「あと、俺らの購入希望分はそちらには上げないからそれは覚えておいて欲しい」とは3年生の
「それやっちゃうといくらでも俺ら足せちゃうからね。それは委員会としてはやらないでおこうって決めてるから」
頷く私達。覚えておくべき事は多い。
ここで私はちょっと席を立った。音田先生にコーヒーを2杯もご馳走になったせいか行きたいところが発生したのだ。
「すいません。ちょっとだけ席を外したいんですけど……」
「いいけど、ミアキちゃん。ここからが面白いんだからさっさと戻ってきなさいね」
音田先生の言う言葉、とっても嫌な予感はするけど生理現象には勝てない。大慌てで2階にあるトイレに走った。
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