2ページ
「んじゃぁ、今度は絶対ね」
「えー今度っていつ」
「そうね、来週」
「・・・えー、来週?」
「今絶対予定がないことを確認したわね?」
「してねーし」
とも言い切れない。
「来週よ来週! 約束だからね」
「はいはい。水曜五時でいい?」
「うんっ水曜五時がいい!」
ウインクやめろ。予定が決まった瞬間に上機嫌になりやがって。
「絶対だからね! あたしのキューピットちゃん」
「きも」
「何よ」
おっと本音が。
「おいおい時間大丈夫なのかよ」
「あっ、話題を変えやがったわね。分かってるわよ、もう戻るって」
カツン、とハイヒールの音が響く。その拍子に頭に着けていた猫耳が揺れた。猫耳オネェ。いつ見ても違和感が凄い。
「約束、絶対に忘れるんじゃないわよ!」
勢いよく振り返った拍子にまた猫耳が揺れる。よく取れないもんだ。
「はいはい、わーったって」
「じゃぁね」
いつもの様にミケは勝手口から消えて行った。ネコとは程遠い、ガタガタ、と物音を立てて。たぶん、外に置いてあった段ボールを蹴ったんだろうなぁ、鈍くさいなぁ。
「ふぅ」
さて、どうしたものか。
ミケとの来週のお出掛けが問題なのではない。
問題はミケの片思い人が“女の子”だと言うことだ。
それにミケは気づいていないらしい。
ここは友として言うべきところか? 悪友として黙って見守るところか?
「・・・まいっか」
ミケはミケ。なるようになるさ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます