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「んじゃぁ、今度は絶対ね」

「えー今度っていつ」

「そうね、来週」

「・・・えー、来週?」

「今絶対予定がないことを確認したわね?」

「してねーし」

 とも言い切れない。

「来週よ来週! 約束だからね」

「はいはい。水曜五時でいい?」

「うんっ水曜五時がいい!」

 ウインクやめろ。予定が決まった瞬間に上機嫌になりやがって。

「絶対だからね! あたしのキューピットちゃん」

「きも」

「何よ」

 おっと本音が。

「おいおい時間大丈夫なのかよ」

「あっ、話題を変えやがったわね。分かってるわよ、もう戻るって」

 カツン、とハイヒールの音が響く。その拍子に頭に着けていた猫耳が揺れた。猫耳オネェ。いつ見ても違和感が凄い。

「約束、絶対に忘れるんじゃないわよ!」

 勢いよく振り返った拍子にまた猫耳が揺れる。よく取れないもんだ。

「はいはい、わーったって」

「じゃぁね」

 いつもの様にミケは勝手口から消えて行った。ネコとは程遠い、ガタガタ、と物音を立てて。たぶん、外に置いてあった段ボールを蹴ったんだろうなぁ、鈍くさいなぁ。

「ふぅ」

 さて、どうしたものか。

 ミケとの来週のお出掛けが問題なのではない。

 問題はミケの片思い人が“女の子”だと言うことだ。

 それにミケは気づいていないらしい。

 ここは友として言うべきところか? 悪友として黙って見守るところか?

「・・・まいっか」

 ミケはミケ。なるようになるさ。


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