第9話「ウザラブ」9(終)

◯一ヶ月後、大学構内

父「唯!こっちに出張あったから高速で乗って来ちゃったよ。全く問題無し!」

◯英国ライダー調の父が、颯爽とSR400から降りる。

◯澪律紬駆け寄って、

律「唯のお父さん、お久しぶりでっす」

父「おお!みんな、卒業式以来だね」

紬「おじさまかっこいいです。グレゴリー・ペックみたい」

父「あはは、照れるなあ…。まあマイワイフはまじ王女様ですが」

全員「(ウザラブっ!)」


父「(すべった!話題変えなきゃ(汗))そう言えば唯からのメールで知ったけど、君たちのお父さんも、若い頃はバイク乗ってたんだって?」

律「そうなんです。ほら言うじゃないですか?"ニッポンのお父さんは若い頃みんなワルだった"って」

父「いや僕らの頃はもうバイク=ワルじゃなかったよ。まあ族もいたけどね。で、律ちゃんのお父さんは何に乗ってたんだって?」

律「なんでも"センパイから譲られたカワサキ マッハ500"とか…」

父「族じゃ…律によく似た族がおる…」


澪「うちのパ…父のはホンダフュージョンとかいうのです」

父「おお!早すぎたビクスクだね?テクノとか好きだった?」

澪「なんでわかるんですか?今もカーステの曲がYMOとかばっかりです。あと、ムギの父上の乗ってたバイクが聞いたことがない…」


父「なになに?(wktk)」

紬「えーと、父は家督を継ぐ前に半年ほど、ブラフ・シューペリアSS100と言うバイクでヨーロッパを放浪したそうです」

父「なんと!お金持ちとは聞いていたけど、まるで貴族子弟のグランドツーリングじゃないか!」

律「そのポーカーでブタ札で勝つみたいな名前のバイクって凄いんですか?」

父「バイクのロールスロイスだよ。何しろ歳降ると乗り手と会話出来るようになると言う名車だ」

唯「お父さん、盛ってるね?」

父「あはは。まあそれぐらい凄いという…。

お父さん達の青春を受け継いで、君たちも皆でツーリング出来るようになるといいね」

紬「ツーリング…お泊まり…うふ、うふふふ」

律「おーい」


◯唯、バイクに近寄る。

唯「お父さんロッシー持ってきてくれてありがとう。乗っていい?」

父「オフコース。そのために300マイルを飛ばして来たんだゼ」

唯「わあ教習所のCB400SFより、全然足つきやすいや」

父「スーフォーは4気筒だからでかいよね。SRの単気筒独特のドコドコ言う排気音を高速で久しぶりに堪能したよ」

唯「本当に貰っちゃっていいの?お父さんの青春を。」

父「唯が乗ってくれるなら本望サ。光れよ、お嬢ちゃん!」

◯ちょっと引く唯。

父「それにね。ここんとこの慣らし運転で、すっかりまたバイク乗りたくなって、お母さんとおそろでカタナ1100S買っちゃったw」

律「それなんてデジャブ?」

(この章終わり)

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"けいおん!!?"(けいおん!第3期仮想台本)9-12話草稿2 鈴波 潤 @belushi1954

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