第7話「ウザラブ」7

◯回想場面、湖畔でバイク(ヤマハTZR250)の前にしゃがみこむ髪の長い清楚な女性。ライダースーツを着こなしている。ヤマハSR400が止まる。

父「あの…どうかしましたか?」

母「ガス欠で…。まだ次のスタンドまでリザーブタンク分があると思ってたら、リザーブコックが回っていて…」

父「そういう地味ないたずらする奴がいるんですよ。携行缶ありますよ」

◯父、リアキャリアに付けた巨大なボックスから携行缶を出して給油する。

母「ありがとうございます。頂いたガソリンは次のスタンドでお返ししますね(なんて好いたらしい人…)

父「あ、はい(やった!こんな綺麗な人と、十キロも先のスタンドまでツーリングできるとは…北海道まで来た甲斐があった!帰ったらバイク屋で自慢しようっと)」

◯SR400とTZR250が畑の中の真っ直ぐな道を一緒に走る。途中ソフトクリームを食べたりして、仲良く話す図。スタンドで給油し三差路で手を振って別れる二人。

余韻を噛みしめるように走る顔。

父母「しまった!連絡先聞いてない!」


◯唯の部屋

憂「お父さんとお母さん、北海道旅行で知り合ったって聞いてたけど、まさかバイクでとはね」

唯「帰りのフェリーで偶然再会しなかったら、私たち生まれてなかったんだ…」

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