第15話 用心棒にご用心
私 ”メアリー・ジャレット” はジャスパーと言ういかがわしい男に誘われ、今ダイナーに居るんだけど・・・
「うわぁ・・・、食事の後にコレは勘弁してほしいわ・・・」
ジャスパーの車を漁る車上荒らしが現れたかと思うと、いきなり殺人ゲームが始まり、ビリーと言う男がビールジョッキで車上荒らし3人を始末して帰って来た
「ビリーお疲れ様~ぁ。これが今回の賞金で~す」
「ありがとな。あ~流石に飲み過ぎた…、水」
「かしこまりました~♪」
そしてウエイトレスからゲームの賞金らしきものを受け取り、何事もなたっかの様に水を注文し席に戻って来た。この男だけでなく、この場に居る全員がこう言った状況に慣れてるみたい・・・。そんな事を考えているとジャスパーが話しかけて来た
「じゃあ、そろそろ部屋に案内しようか」
「え、ああ、頼むわ。何でもいいから今日はもう休みたい」
私の言葉にジャスパーは笑って言った
「ハハハハ、生活用品はまだだから、来客用の寝袋と毛布を管理人室で借りて行こう。ビリーはどうする?」
ジャスパーの問いにビリーは頭を押さえてながら答えた。あんだけ飲んでよく倒れないものね
「俺はしばらくここで休んでから部屋に戻るよ。報告書は明日で良いだろ?」
ジャスパーはビリーの返事を聞いてて軽く返事した後、席を立って私に声をかけた
「はいよ。じゃあ行くかジャレット」
「ええ、行きましょう」
私はジャスパーに案内され、部屋に到着した
「この部屋だ、寝袋はここに置いとくぞっと!」
ジャスパーは持ってくれた寝袋と毛布を部屋に置いてくれ、パンパンと手を鳴らしてから振り向き入口に立っていた私に注意した
「ドアは重いから閉める時に挟まないように注意しろよ。指飛ぶからな」
「わかったわ。鉄板でも入ってるの?」
「そうだが防弾効果は期待するなよ、せいぜい散弾が防げる程度だ。明日の朝8時に保険屋が来るから、前任者の機材の受け取りの確認をしてくれ。一応、俺も同伴する」
「了解。じゃあまた明日ね」
「ああ、それじゃまた明日」
そういってジャスパーはドアを閉め部屋を出て行った。そして私は力が抜け、床にへたり込んでしまった
「はぁ~~~・・・・・。保険屋かぁ…、きっとマトモじゃないんだろうなぁ」
疲れていた私は寝袋をの中に入って眠ろうとした・・・が
「寒い…」
床が冷たくて思った以上に冷えたので、めんどくさいと使わなかった毛布を床に敷いて芋虫の様に丸まった
「ふぅ、これで眠れる・・・」
私が泥の様に眠りに落ち・・・・
「ピンポ~ン」
気持ち良く眠ろうとしたのにチャイムが鳴って起されてしまった
「もう!誰よ一体!」
私は怒りながらもつい玄関のドアを開けてしまい
「ガチャ」
開けるとそこには、薄暗い廊下に大男が立っていて私を見下ろしていた
「きゃあああ!?」
「何がキャアだ。俺だよ」
「え、なんだビリーか」
ビリーは面倒くさそうは顔をしながら頭を掻いていて何か迷ってる様だった。何で来たのか分からないけど、そんな煮え切らない彼に言葉をかけることにした
「なに? デートのお誘いならお断りだけど」
「ちがう。ジャスパーはああ言ってたが、やっぱ渡しておくべきだと思ってな」
「渡すって何を?」
「これだ」
ビリーが私に差し出してきたのは大きな鉄の塊、ショットガンと言うヤツだ
「ちょっと!こんなんでどうしようって言うの!?」
「護身用だ、これで身を守れ。これなら映画とかで見たことあるだろ? ガシャンとやって後は引き金を引くだけだ」
「ええ…、まあ、どうも…。一応もらっておくわ。でも普通拳銃じゃない?」
私はとりあえずショットガンを受け取り彼にそう言うと、彼は言った
「素人の拳銃は弾をばら撒くだけだ、当たっても効果は薄い。これなら当てやすく殺傷力も高いからジャンキーにも有効だ。必要だろ、職業柄」
「まあ、そうかもね・・・」
そしてビリーはつづけてこう言った
「もし撃つハメになったら全弾撃ち込め」
「倒れるまで撃てって事?」
「いや、倒れた後も続けて撃ちこめ」
「そこまで!?」
「撃たれて気絶してるだけかもしれないだろ。用心の為に確実に殺れ」
「・・・わかった」
「わかればいい。銃口を覗くとか幼稚な真似をするなよ。後、俺に銃口を向けるな」
「あ、ごめんなさい!」
私はビリーに銃口を向けてる事に気付いて急いで退かした。その重心が壁にぶつかる
「ゴンッ」
ビリーはその様子を見て頭を押さえて、小さい声でぼやいていた
「やっぱ、渡さなきゃよかったかな・・・・」
しっかり聞こえていたが、私は無視して彼に言った
「とりあえず有難う、気を付けて使うわ」
「ああ、そうしてくれ。安全装置は解除してあるからいじるなよ」
「安全装置?どれ?」
「引き金上にあるポッチだ。赤いラインが見えてたら撃てる」
「ん、これね」
ビリーに言われた場所を確認しそれらしいパーツを見つけた。そのパーツを押し込むと反対側に飛び出す。赤いラインは見えないから安全装置が掛かったて事だろう、飛び出したパーツを押すとまた反対側に飛び出し赤いラインが見えた
「カツ、カチカチ」
私が安全装置をカチカチと押していると、ビリーが力の無い声で注意して来た
「いじるなって言ったのに・・・」
「あ、ごめん」
「安全装置は解除したか?」
「うん、赤いラインが見えるから大丈夫!」
「そうか、俺はもう寝る。暴発させるなよ」
「わかったわよ。おやすみなさい」
「ああ、おやすみ・・・」
ビリーはそう言ってだるそうに帰って行く。私はドアを閉め受け取ったショットガンを壁に立てかけて
「不器用だけど良い人ではあるのかしら?」
私はふたたび寝ようと寝袋に入って毛布に丸まった、するとその振動でショットガンが・・・
「ガタンッ!」
ショットガンが倒れて顔の前に銃口が!
「あぶな! 倒れないように床に置こう!!」
ショットガンを置き直して、私は眠りについた
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