第8話 パワーVSパワー
俺 ”ビリー・アボット” は軽機関銃でポスターを撃ってしまい
「てえめぇぇぇ! ナニ、ひとんちに土足くり抜いて上がりんでんだコラァ!」
この男、たぶんアイザック・ジャクソンという名前の男を怒らせてしまった。ヤツの叫びと共に、ギリギリの所で斜めに保たれていた床が完全に落ちて塵が舞い上がった
「ドスゥゥゥン!」
視界が塵で塞がれた中、その塵を振り払うように俺は機銃をアイザックが居たあたりに撃った
「何が人の家だ、不法占拠者め」
「ダダダダダダッダダダダダァカッ・・・」
機銃を放つとヤツがバイクを盾にする様に隠れてい姿を確認できたが機銃の弾が切れてしまう。その隙にヤツは声を上げてバイクを持ち上げる様に持った
「おりゃあ!」
「逃がすか!」
俺はヤツがバイクで逃げない内に撃とうと身体に巻いた弾帯を解き機銃に突っ込もうしたのだが・・・
「ポロン、ポロン・・・カキャン」
ヤツのバイクのタイヤが幾つかのパーツと共に外れてしまった。銃撃で損傷したのだろうか? 俺は思わず手を止めてしまった
「ん?」
「ヘヘ、そう呆けた顔すんなよ!」
「ガチィン!」
アイザックはバイクに何か大きなパーツを組み込んだ。
「ふぅんッッ!!」
ヤツが力強くそのパーツを組み込んだバイクであった物を持ち上げた。今のバイクの姿は明らかに・・・・巨大なチェーンソウである
「ブルウウウゥゥゥゥンンッッ!」
今まで奴のバイクはどうにかバイクの原型を留めていたが、まさかバイクのアイデンティティを完全に捨てたのもが出てくるとは・・・
「ガリリリィィィイイイン!」
ヤツは大型バイクのエンジンで高速回転するチェーンソウで壁を切り裂いて逃げちいってしまった
「はぁ!? 派手にアピールしておいて逃げる気か!!」
「ガシャンッ」
俺は機銃のボルトを引き撃てるようにして準備して、床の穴を避ける様に移動しながらヤツを負った
「…・・・ァァァガリリリィィィイイイン!!」
壁に近づいた瞬間、壁からチェーンソウの刃が飛び出してきて来る
「おっとっと!」
俺はその攻撃をどうにか躱し、軽機関銃でその壁を撃ち反撃した
「ダダダダッダダダダダァン」
「うっ!」
しかし機銃の反動で足を滑らせて下の階に落ちてしまった
「ドン!」
「痛ッつうッッ、ふざけやがって!」
俺は頭にきて、奴が居るであろう部屋の下に行き機銃をを上に向かって乱射した
「ダダダダダダダダダダダァン!ダダダダダダダダァンダダダダダダダダダァン!」
天井に穴が空く度にヤツのチェーンソウの音が聞こえる様になったので、俺は音を頼りに機銃をぶっ放した
「ブルウウウゥゥゥゥガリリリィィィイイイン!!」
ヤツは天上ごしに俺を切り裂こうとチェーンソウで応戦して来た。水面にヒレを出す人食いザメが逆さになったように出て来ては引っ込みを繰り返し、次々とヤツの刃が天井から迫ってくる
「この!!ちょこまかと! ぐっ!」
ヤツの刃で腕を少しかすってしまい、負傷する俺の隙を狙う様にチェーンソウの刃が俺の頭に迫って来た。こちらがチェーンソウの音で相手の動きを探っていたように、相手もこちらの動きを機銃で探っていたのだろう
「ガリリリリリリィィィイイイ!!」
「んッッ!」
俺はチェーンソウを躱す為に地面に倒れて難を逃れた。
「もしかして、ここまま倒れたまま撃ってれば安全に倒せるんじゃ?」
頭が冷えてそんな考えが浮かんだ矢先
「ベキベキベキ・・・」
天井から嫌な音がした
「まずい!!」
「ドォオン!!!」
俺は地面を転がって落ちてくる天井からどうにか逃れる事が出来た。よく見るとアイザックも落ちて来たようで怒りの形相でこちらを見ている
「このおお・・・!」
俺の攻撃は直撃しなかったまでも当たってはいたようで、ヤツは血を流していた
「ちぃ!」
「ダダダダダダダァン!」
身体を起こしながら俺はヤツに機銃を撃ったが
「カンッ、カン、ガッ!」
ヤツはチェーンソウの巨体に身を隠しながら俺に迫って来た
「おらららららあああああああぁぁぁぁぁあああ!!!」
「ダダダダカッ」
機銃の弾が切れて俺は新たな弾帯を身体から解き・・・
「ブルウウルウゥゥゥゥッッンン!」
その弾帯を鞭のように振りヤツをけん制した
「ブン!ブン!」
「チャリン、チャリン!」
ヤツは俺の振る弾帯のをどうにか切ろうと叫びながらチェーンソウを振り回した
「鬱陶しいマネしやがって!」
「ブルン!ブルン!ブゥルン!」
ヤツは俺の振るった弾帯を切ったが、切った時の火花と熱で弾が破裂する
「ガアァァァ!パン!パン!」
「くっ!」
俺はその隙に機銃の銃身に弾を込めようと試みた。一発でも薬室に弾が入っていれば撃てる
「うおおおお!」
アイザックは突進しながら俺にチェーンソウを振り下ろそうとした。俺は手に持っていた軽機関銃を顔のあたりに投げつけた。だが7キロも重量がある軽機関銃を投げつけてもヤツは止まらなかった
「あがッ!?ッッ!」
そう、薬室に弾が入ってれば銃は撃てる。俺は弾帯から弾を一発外して予備の機銃の銃身の薬室に入れて構え、もう一つの銃身をハンマー代わりにして弾の雷管を叩いて発砲した
「タァン!」
「うっ!」
ヤツの大振りになって無防備になった身体に弾だ当たりヤツは跪く
「まだ!まだ終わらねえ!!」
ヤツはチェーンソウを持ち上げるのを諦めて、ポケットから大きめのナックルダスターを両手にはめて殴りかかって来た
「バコン!」
俺はヤツの右ストレートを躱し、外れた攻撃は壁にめり込んだ。俺は手に持った機銃の銃身二本をアイザックの身体に強く突き刺した
「ザクッザク!」
「うっん!!」
刺されても動じることなく、アイザックは左手の鋼鉄の拳を振り上げた。その腕を俺は掴んで止め
「ガシッ!」
もう一方の腕も掴みヤツの顔に頭突きをかます
「ガッ!ガッ!ガズン!」
「ボロ・・・」
ヤツの身体から力が抜け右手が壁から抜けて跪く。俺はアイザックの両手からナックルダスターを取って自分の手に付けて
「これで終わりだガキィ!」
思いっきり顎を左右のナックルダスターで殴りつけた!
「バコン!バコン!」
アイザックは殴られた衝撃で床に倒れた。俺が若い頃に安物のナックルダスターを使い、殴った衝撃で指から抜けなくなった事が有ったが・・・。コイツならその心配はなさそうだ
「はぁはぁ・・・。コイツはいただいていこう」
俺は鏡の様にポリッシュされたステンレス製のナックルダスターをポケットに仕舞って。頭突きのせいで痛む頭と歪む視界の中、次の仕事に向かった
「うう・・・、帰ったら迎え酒だ」
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