8#カモシカをつける者
吹きすさむ豪雪の中、カモシカのマウシイとミミカは飛んでった風船を探して山の中を歩いた。
しかし、辺りは白一色で前を歩けないくらいだ。
鼻をヒクヒクさせて辺りの匂いをかいだ。
仄かに風船のゴムの匂いがするかと思ったが、ただ鼻の穴から寒さで白くなった息が出るだけで何も匂いがしなかった。
マウシイは鼻の穴に雪が入ってムズムズして、くしゃみが出た。
しばらくして
「・・・・・もうこんだけ探しても無いから諦めるよ・・・・ミミカ・・・・自分のわがままに付き合って迷惑かけてごめんな・・・」
マウシイはうつむいてボソッと言った。
すると突然、ミミカが突進して角で小突いた。
「あんた何言ってるのよ!ふざけないで!!あんたが言い出したんだからちゃんと責任持ちなさいよ!!」
ミミカは凄いけんまくだった。
「・・・別にそういうことじゃ・・・」
「そういうことって何よ!」
2頭のカモシカの大喧嘩が始まった。
雄雌関係なく、まるで雄同士の戦いだった。
マウシイは大泣きしていた。止めどない涙が寒さで凍っていた。
ウ~バウッバウッ!!
いきなり一匹の餓えた野犬が飛び出してきた。今さっきから2頭を付け狙っていたのだ!
野犬は突然転がってたミミカに襲いかかった。
あ!危ない!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます