第2章 闘志

祐介「ゼノス!?この姿はゼノスって言うのか!」

怪人「ウオ“オ“オ“オ“オ“オ“オ“!!!」

怪人は祐介がゼノスに変わった瞬間、怒り狂い襲いかかって来た

祐介「ひ、ひぃ!うああ!!!」

ドスーン!!!!祐介は怪人に殴られた

祐介「う”う”痛でででで!はぁはぁ、くらえ“ぇ”ぇ“ぇ”!!!」

祐介は怪人に殴りかかったが、人を殴った事や格闘技をやった事がない祐介のか弱いパンチはすぐに避けられた

怪人「フン“!」

ドス!!

祐介「ぐあ”あ”あ”!!」

祐介「う“らあ”あ”あ”あ”あ”!!」

怪人「オラ”!」

祐介と怪人の対決は一方的だった、祐介は殴られ立ち向かい殴られの繰り返しで次第に恐怖と絶望が襲いかかり心が折れ始めた

祐介「倒せない、倒せない...!」

怪人「ウ“オ“オ“オ“オ“オ“オ“!!」

怪人の一撃は祐介の腹部に入り、散乱している車にぶつかりながら飛んでいき壁に激突したと同時に人間体に戻った

祐介「ぐあ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!」

遠くから怪人がゆっくりと歩み寄ってくる

怪人「ドウシタゼノス、ヨワクナッタナ、コロス、コロス、コロス!コロス!!、コロス!!!」

殺気を放つ怪人はまさに恐怖そのものだった

「はあ”はあ”はあ”!!殺される!!殺される!!殺される!!!う“、う“あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!」

祐介は恐怖と絶望のあまり逃げ出した

ガチャガチャ!ガチャン!

母さん「祐介!今日はお父さんの七回忌だから早く帰って来てって...!あんたどうしたのその真っ青な顔!震えてるじゃない!」

祐介「ハハ...ちょっと体調が悪くて...二階で寝てるね...」

祐介は自分の部屋で布団に包まり怯えていた

祐介「何だよ、何だよあの怪物...!俺を本気で殺しにきてた...!はあ、はあ、あいつに殴られた所がまだ痛む...!嫌だ!死にたくない...!死にたくない...!怖い...!怖い...!!怖い...!!!」

その時、携帯の着信音が鳴ったーno fear no pain 愛の前に立つ限り no fear no pain 恐れるものは何もないーこれは仮面ヤイダークウゲのオープニングだ

祐介「クウゲ...」

携帯をゆっくりと取ると泥沼からだった

「あ、祐介殿!実は今日の課題なんでござるが...って祐介どの殿、なんか元気ないでござるよ?」

祐介「ああ、うん...」

泥沼「あ!そう言えば!今日祐介殿の大好きなクウゲの再放送でござるよ!大好きなものを見れば少しでも元気になるでござるよ」

祐介「うん...ありがとう泥沼くん」

ピッ!部屋のテレビをつけた

祐介「俺、あいつが怖くて逃げた、戦う力を持ってるのに、逃げた、俺がもっと強かったら、俺がもっと勇気がある人間だったら」

クウゲ「強くなくても勇気がなくても良いじゃない、自分が自分らしく生きて、自分がなりたい自分になれば」

祐介「俺が、俺らしく?」

ーお母さん「貴方...何で死んじゃうの...なんで...なんで...ー

ー子供「うわあああん!お母さん!お母さん!怖いよぉ〜!!!」ー

祐介「俺は、もう皆んなが泣く所を見たくない、悲しみの涙で泣く人がいたら、その人に手を差し伸べたい、そう言う人に俺はなりたい」

お父さん「祐介、クウゲはな、本当は弱くて臆病なんだ、でも皆んなの笑顔の為に何度倒されても何度倒されても立ち向かうんだ、そう言うのってカッコいいじゃないか!」

祐介「お父さん、俺もクウゲみたいになれるかな、」

お父さん「なれるさ!だって祐介は、優しくて、心の強い子だから!!!」

祐介「はっ!!...夢...か...」

祐介の頬には涙が流れていた

祐介「俺、励ましてもらったのかな、クウゲとお父さんに...」

スゥーーーーハァーーー祐介は深く息を吐いた

「俺、やってみるよ、やってみせる、やってやる!!」

祐介の瞳には熱い闘志が再び燃え上がっていた。


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