第17話 返礼 3

《System Message:【憤怒の大罪者】を討伐しました。

 それにより、≪称号≫<大罪者の証:【憤怒】>を獲得しました》

《System Message:【憤怒の大罪者】を討伐しました。

 それにより、≪クラス≫【虚飾の大罪者】がランクアップし、≪クラス≫【虚飾の化身】と成りました》

《System Message:レベルアップしました。現在のレベルは197です》

《System Message:レベルアップしました。現在のレベルは198です》

《System Message:レベルアップしました。現在のレベルは199です》

《System Message:レベルアップしました。現在のレベルは200です》

《System Message:レベルアップしました。現在のレベルは201です》

《System Message:200レベルに到達した事により、≪称号≫『覚醒者』を獲得しました》

《System Message:200レベルに到達した事により、<ステータス>にて『ランク表示』が解禁されます。

 『ランク表示』はスキルやクラスなどの基準値でⅠ~Ⅴで表されます。数字が大きくなるほど、その能力の効果は向上します。詳しくはヘルプを参照ください》

《System Message:200レベルに到達した事により、『独自属性』が開放されます》

《System Message:先天スキルを該当者の<ステータス>より確認。

・・・・・・確認完了。≪無魔法・Ⅰ≫≪水魔法・Ⅰ≫≪光魔法・Ⅰ≫≪闇魔法・Ⅰ≫の才能が確認されました。これまでの行動を元に適性属性を算出します。

・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・算出完了。

 該当スキルの内≪無魔法・Ⅰ≫≪水魔法・Ⅰ≫に進化の兆候が発見されました。

 該当スキルの内≪光魔法・Ⅰ≫が特殊進化条件を満たしています。

 該当スキルの内≪闇魔法・Ⅰ≫が進化条件と特殊進化条件を満たしております。

 進化可能スキルをアップグレードしますか?》

《 ・Yes ・No 》


「長っ」


 思わず素の口調でツッコんでしまった。

 俺は慌てて周囲を見回す。が、ココは≪狂想劇場≫の中なので当然人は誰もいない。

 あるのはドランの死体だけだった。


 ほっ、と一息吐く。

 

「……ふふっ」


 自分の行動を思い出してその間抜けさに少し苦笑する。


「ある程度、『狂化』には慣れましたし、もう問題はなさそうですわね」


 俺はウィンドウのある一点を見つめる。

 そこには『狂化・Ⅲ 8.74』の文字が浮かんでいる。

 如何やら状態異常にもランク表示は適応されるらしい。

 さて、8.74という事は10.00で次のランクかな?それとも100.00かな?それとも、それとも、他に条件でもあるのかな?

 まあ、これからも使って行くのだからいずれ分かるだろう。

 ……やっぱ気になるし、帰ったらヘルプ確認しておくか。


「さてと、それではちゃちゃっと、情報を絞り出してしまいましょうか」


 あと、相変わらず取って付けた様なお嬢様口調なのにはちゃんと意味がある。

 如何やら狂化中は無理せず、溜め込まずに思った事を口に出来るこの高飛車お嬢様口調の方が、制御に向いているみたいなのだ。

 まあ、別に今の段階レベルの狂化であれば、何方でも全く問題なく活動は出来そうだが、それでも溜め込む意味は無いので必要に迫られる事がなければ、当分はこの口調で通すつもりである。


「さてと、それではアップグレードいってみましょうか。ポチっとな?」


《System Message:本当によろしいですね?

※決定のやり直しは不可能となっております※

 ・はい ・いいえ 》


 迷わず『はい』を選択。


《System Message:それでは、進化可能スキルのアップグレードを開始します》

《・・・・・・アップグレード処理中 1/3

・・・・・・・・・・・・アップグレード処理中 1/3

・・・・・・・・・・・・アップグレード処理中 1/3

・・・・・・・・・・・・アップグレード処理中 2/3

・・・・・・・・・・・・アップグレード処理中 2/3

・・・・・・・・・・・・アップグレード処理中 2/3

・・・・・・・・・・・・アップグレード処理中 3/3

・・・・・・・・・・・・アップグレード処理中 3/4

・・・・・・・・・・・・アップグレード処理中 3/4

・・・・・・・・・・・・アップグレード処理中 3/4

・・・・・・・・・・・・アップグレード処理中 4/4

・・・・・・・・・・・・アップグレード処理中 4/4

・・・・・・・・・・・・アップグレード処理中 4/4

・・・・・・・・・・・・アップグレード処理中 4/4

・・・・・・・・・・・・・・・・・・全工程アップグレード完了しました。

 また、それに伴い行われた履歴閲覧作業中にスキル化可能な行動が発見されました。際して並行作業でスキル化を行わせて頂きました。ご了承ください。

 スキル化されたスキルはオリジナルスキルとして登録されます》

《System Message:オリジナルスキル作成おめでとうございます。

 それにより、≪称号≫<スキル作成者メイカー・Ⅳ>が送られます》

《System Message:アップグレード結果をお知らせします

・≪白魔法・Ⅲ≫

    ↓

 ≪月魔法・Ⅴ≫


・≪黒魔法・Ⅲ≫ → ≪死魔法・Ⅳ≫

    ↓

 ≪夜魔法・Ⅴ≫


※≪月魔法・Ⅴ≫は『ルナルティア・ノートネス』の姿で活動中の時のみ使用可能です。

※≪夜魔法・Ⅴ≫は『水無月 佳夜』の姿で活動中の時のみ使用可能です》


「また、長い!ですわ!」


 というか、オリジナルスキル?

 首を傾げてステータスを見てみるとそこには≪魔装・Ⅳ≫の文字が。

 あ。


「≪魔装≫がスキル認定された!?

 え、あれって魔法じゃないんですの!?」


 思わずヘルプで調べてみると、≪武器化・Ⅲ≫+≪魔力収束・Ⅲ≫+≪魔力固形化・Ⅳ≫+≪魔纏・Ⅳ≫を全取得した状態で全身に装備として顕現させる事が出来れば習得可能と書いてあった。

 ……あれ?俺、≪魔力収束・Ⅲ≫以外のスキル持って無かった筈なんですけど?


 そんな訳で、再びヘルプ先生のご登場。

 えーっと、何々?……まず、これらのスキルを習得していないと全身顕現など不可能である。極論、スキルが無くても全身に顕現させられればスキル取得は可能である。


 不可能って……じゃあ、何で出来たの?

 それ、おかしいよ。

 等と下らない一人ツッコミをしていると突然、ウィンドウが開いた。



≪魔装・Ⅳ≫

・オリジナルスキル

・レベル1

・Ⅳランクスキル

・魔力を物質化させ身に纏うスキル。

・装備の強度は使用者の魔力収束能力に依存する。

 使用する魔力の種類により特殊効果を付与する事が可能。

 常に魔力を制御し続ける為、高い制御能力を必要とする。

・特殊ウィンドウにて≪魔装≫のセット作成が可能。

 外見や特殊効果などをお好みに改造でき、形が固定化される為、制御を格段と楽にできる。

・≪武器化・Ⅲ≫+≪魔力収束・Ⅲ≫+≪魔力固形化・Ⅳ≫+≪魔纏・Ⅳ≫を全取得した状態で、全身に装備として顕現させる事が出来れば習得可能。スキル無しで顕現までおこなった始祖は、正直頭がどうかしている(褒め言葉)。



 おい、コラ最後の一文!完全に悪口じゃねぇか!!

 何が(褒め言葉)だ!(褒め言葉)って付けたら何でも許されると思ってんじゃねぇぇえええええ!!!


「はぁ……。はあ……。はぁ……」


 一通り怒鳴ったあと、ドカッと腰かけ息を整える。

 膝に肘を置きながら思わず溜息を吐いた。


 もう一度、ウィンドウを見直すと例の一文は消えていた。

 絶対、シュレベレスの奴の悪戯だな。まったく、小学生かよ……。


「はぁ、それで何でしたっけ?

 ああ、ドランさんから情報を聞き出そうと拷m……もとい、OHANASHIをしようという話でしたわね……。

 あら?そう言えば、ドランさんは何処に消えたのでしょう?」


 周囲を見回す。居ない。

 あ。いた。


「そう言えば、私が先程から椅子代わりにしていたのでした。

 ふふ、ワタクシったら、おっちょこちょいですわね。てへっ」


 寒気がした。

 ヤバい。絶対、コレ狂化の影響でてんじゃねぇか。

 さっさと、終わらせて帰ろう。

 俺は死体に少し細工をした後、蘇生を開始した。


「我、今ココに失われた魂を再誕させる。

 世界の法則よ、狂え。≪狂想劇場≫」


 ごっそり、1,000MPほど持っていかれる感覚。


 思ったより復活に必要なコストは少ないらしい。

 まあ、もっとも、全部この劇場内での事だからだろうけどな。


「さて、積もり積もった私怨の返済させていただくとしましょうか?」


 俺の口元に三日月が浮かんだ。

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