第22話 秋の神事 3


「……」


 俺は閉まった扉をじっと見つめる。


「はぁ……さっさと先に行けばいいんですね」


 近づいても開かなかった扉を見て溜息を吐く。

 如何しようもない俺は諦めて先に進む事にした。


 少し進むと廊下が終わり、長方形の部屋に着いた。部屋の中心には装置が置かれ、その奥には入った時と同じように緑のランプが点いた扉があった。


「何コレ?」

『手を台座に置いて下さい』


 何処からともなく聞こえてきた声にルナはビクリと反応する。


「何方でしょうか?」

『私はステータスチェックを担当している天使イーベルです』

「……」


 答えが返ってくると思っていなかったルナは思わず口を閉じた。


『もう一度言います手を台座に置いて下さい』


 ルナは反抗しても仕方がないので、素直に台座に描かれた手形に手を重ねた。


『ステータス読込みロード……完了。ステータス確認チェック……完了。ステータス展開オープン



≪ステータス≫

名前:ルナルティア・ノートネス

レベル:unknown

性別:unknown

年齢:unknown

種族:unknown

クラス:unknown

生命力:unknown

魔力:unknown

体力:unknown

攻撃力:unknown

魔法力:unknown

防御力:unknown

精神力:unknown


先天スキル

・unknown


クラススキル

・unknown


後天スキル

・unknown


称号

・unknown


加護

・unknown



「『……』」


 やっべ、≪ステータス≫の≪情報操作≫で表示いじったままだった……


『――貴方は何者ですか?』

「ええっと……」


 さて、如何答えたものか……

 悩んだ俺だがその心配は途労に終わった。


『――ッ!?……了解いたしました。ええ、はい、承知しました。

 水無月 佳夜様。いえ、今はルナルティア・ノートネス様でしたね。

 今までの非礼をお詫びいたします。まさか管理神様の加護を持つ者とは思っておりませんでした』


 装置から天使が投影された。

 天使の少女は丁寧に腰を折っている。と言うか土下座していた。

 ……美少女の土下座とか見たくなかったよ。ついでに言うと上座?から土下座されても誠意が感じられないんですけど……


――ポーン、ポーン


 あ、メール。えー、何々?

 今回の不手際のお詫びに特一級のカードを配布させて頂きます。か。

 ……今更ですが何方様ですか。如何やら何時もの神様シュレベレスからじゃないらしい。


――ポーン、ポーン


 また、メール?



≪メール≫

題名:初めまして。レスペイアと申します。

差出人:レスペイア

本文:初めましてルナさん。私はレスペイアと申します。シュレベレスの先輩に当たる者です。

 この度は私の創造した天使であるイーベルがご迷惑をおかけして申し訳ありません。そのお詫びに特一級のステータスカードを配布させて頂きます。

 [特一級ステータスカード]の使用方法は<管理神の祝福>をカードに使って頂ければカードの解説が表示されますのでそちらをご確認下さい。

追伸:ルナさん、貴方は素晴らしい才能を沢山有しています。貴方ならば18歳までに昇神を果たすと信じていますよ。



 ……長い、長いよ。と言うか昇神って何!?……よし、見なかった事にしよう。


『あの、そういう訳なのでステータスの隠蔽を解除してもらっても宜しいでしょうか……』


 土下座天使のイーベルさんが顔を上げて聞いてくる。


「あー、はい。少し待ってくださいね」


 ……解除。解除。解除。解除。解……


「終わりましたよ」

『申し訳ありませんが、もう一度台座に御手をお願い致します』

「はい」


 指示通り≪情報操作≫を全解除した俺は台座の手形に手を重ねた。


『ステータスの読込みロードを開始致します。……完了致しました。ステータス確認チェック開始致します。……完了致しました。ステータス展開オープンします』


 先程とは見違えるような丁寧さでステータスの確認が進んでいく。最初から職務通りに働けば良かったのにね。

 そして、装置から俺の現在のステータスが表示された。



≪ステータス≫

名前:ルナルティア・ノートネス

レベル:94

性別:女

年齢:7歳

種族:人間ヒューマン

クラス:役者アクトレス レベル101

    芸者テクニシャン レベル56

    脚本家シナリオメーカー レベル146

HP(生命力):401/402(+201)

MP(魔力):34263/35679

ST(体力):134/390(+195)

ATK(攻撃力):650(+450)

STR(筋力):416(+213)

MATK(魔法力):24108(+12079)

INT(知力):16588(+8314)

DEF(防御力):516(+283)

VIT(耐久力):414(+232)

MIND(抵抗力):96370(+30050)

MENT(精神力):149056(+30050)

SPD(行動速度):1067(+558)

AGI(攻撃速度):1068(+558)

CSPD(詠唱速度):7890(+3970)

HIT(命中率):22%

MHIT(魔法命中率):97%

MN(処理能力):(617%)100%/47.50%処理中

EF(放出力):3241

DEX(器用値):7724

TEC(技術力):4793

EXP(経験値):367100/327071(5141791)


先天スキル

・魔力操作 レベル674(+106)

・魔力感知 レベル495(+106)

・精神制御 レベル614(+151)

・並列思考 レベル517(+453)

・催眠術 レベル458(+151)

・詐欺術 レベル541(+347)

・神術語 レベル298(+196)

・料理 レベル197(+106)

・裁縫 レベル193(+106)

・無魔法 レベル725(+257)

・青魔法 レベル4(+3)

・黒魔法 レベル5(+3)

・白魔法 レベル4(+3)


クラススキル

・演技 レベル526(+303)

・模倣 レベル481(+303)

・速読 レベル372(+303)

・戦略 レベル41(+30)

・決闘劇 レベル6(+3)

・剣劇 レベル6(+3)

・舞踏劇 レベル7(+3)


後天スキル

・魔力収束 レベル589(+303)

・気配察知 レベル182(+56)

・魔法陣 レベル324(+302)

・鎌術 レベル469(+157)

・剣術 レベル313(+157)

・格闘術 レベル427(+157)

・槍術 レベル336(+157)

・鞭術 レベル416(+157)

・捕縛術 レベル368(+157)

・鎖縛術 レベル42(+15)

・幻術 レベル556(+302)

・付加術 レベル411(+302)

・錬金術 レベル256(+106)

・調薬 レベル142(+106)

・農耕 レベル178(+106)

・木工 レベル136(+106)

・細工 レベル148(+106)

・服飾 レベル121(+106)

・火魔法 レベル216(+157)

・風魔法 レベル271(+157)

・土魔法 レベル315(+157)


称号

・転生者

・禁忌に触れし者

・消滅者

・眠り姫

・黒の魔導士

・青の魔導士

・白の魔導士

・死神幼女

・超越者


加護・祝福・契約

・管理神の加護

・戦神の加護

・武神の加護

・闘神の加護

・太陽神の加護

・月光神の加護

・管理神の祝福

・世界の祝福

・天界の祝福

・〇〇の契約(対象:ルナルティア・ノートネス)

・守護の誓約(対象:ルナルティア・ノートネス)

・秘匿の誓約(対象:フローリア・ノートネス)



 うわぁ……。自分で見て引くわぁ……。何コレ。

 明らかにやり過ぎた感が全面に出てるんですけど……。


『何ですかコレは……』


 土下座天使のイーベルさんも吃驚の数値らしい。


「ええっと……この数値がどれくらいのものか聞いてもいいですか?」

『はい。まずは魔力ですがコレは人類最強クラスです。魔王や勇者と良い勝負ですね』


 この世界、魔王とかいるんだ……。……ああ、そう言えばそんな情報もあったね。勇者がいるんだし魔王がいない訳がないか。


『次に魔法力ですがほぼ下級神に手が届きかけていますね』


 そんな物騒な情報は聞きたくなかった……。まだ、神になる覚悟とか欠片も出来てないんですけど……


『知力はエルダーエルフの研究者くらいの数値でしょうか』

「エルダーエルフってエルフの上位種ですよね。あの数千年生きてるって言う」

『はい、そのエルダーエルフです』

「……」


 その研究者レベルっておかしくないか?俺自身自分がそこまで頭良いとは思えないんですけど。


『次は抵抗力マインドですね。コレは中級神の上位くらいでしょうか。下手をすれば上級神の下位くらいには手が届くかもしれません』


 これ以上、聞きたくないです……


『後は精神力ですが……上位神に匹敵しますね』

「ちなみに神様――シュレベレスはどの辺りの神か聞いても?」

『少しお待ち下さい……。……はい、問題ありません。シュレベレス様は管理神なので最上位神という扱いになります。レスペイア様も以下同文です』

「……ちなみに最上位神の上とかもあるんですか?」


 気になったので恐る恐る聞いてみる。


『はい、全知神や全能神の方々がいらっしゃります』


 うげ、全能神って本当にいるのか……

 俺は信じていなかった事実に軽い衝撃を受けて思わず黙り込んだ。

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