第126話 全部語るな

 第125話の続きになります。


「おっ? 早朝ランニングして来たのか。おはよう」

「うん。おはようお父さん。○×公園まで行ってきた!」


 ないないない(ヾノ・∀・`)ナイナイ

 お父さんがこんなに喋るまで子供黙ってない。

 で、こうなる(↓)。


「おっ? おは――」

「あ、お父さんおはよ! ○×公園もうチューリップ咲いてたよ! 暑っつー、お母さんお茶ちょうだーい!」

「早いなぁ」

「へへっ、今年こそスタメン欲しいからな」


 ここまでが125話です。


 さて、ここで気づいて貰えたでしょうか、今あえて『早朝ランニング』という単語を削りました。

 これってモロに説明台詞じゃないですか。なんか楽しくないんですよね。その状況を『そのまんま』書くのって。

 別の言葉でその状況を想像して貰うようにすると、読んでいる方も楽しいんじゃないかな~なんてね。少なくとも読者としての私はそうなんですよね。


 『早朝ランニング行ってきた』って書いたらもう他に説明必要ないんです。読んでる方は「ああ、この子は早朝ランニング行ってきたのね」で終わり。


 つまんなーいヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。


 だけど『スタメン欲しいから』だけ書かれたら、それ以外の情報を探すじゃないですか。


 スタメン欲しくて朝も早よから○×公園まで行ってるんですよ。これでランニングシューズの紐を緩めながらだったりしたら、確実に走って来てますよね。それとか額に汗が光ってたりとかね。ちょっと息が上がってたりとかね。

 しかも○×公園にはチューリップ咲いてたの。春先なんだよね。

 そういうのを地の文で見せつつ、台詞では「スタメン欲しいから」しか言わせない。


 こういう構造を見かけると、「この子は野球かサッカーかなんか知らんけど、今は補欠でスタメンに入りたいんだろうなぁ、その為にこの春からちょっと本気出してるんだろうなぁ」って想像しちゃう。


 こんな感じで地の文と台詞の合わせ技でその状況を読者に想像させてくれるようなのを見つけると嬉しくなります。

 

 少なくとも如月はそういう小説の方が好き!

 (かと言ってわざと難解にして、作者が悦に入ってるだけみたいなのは引く)

 そういうの書いて! 読むから!



 結局、自分が読みたいものの傾向を書いただけだったようだな……?

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