第141話 本を出すのって凄い大変
本を出すことってメチャクチャ大変です。
今だからわかります、メチャクチャ大変です。
ところが。
如月は「書籍化」って言葉を知らないまま書籍化しました。
友人Nに「あんたも書かんのか」と言われ(第37話参照)書いた二作目を拾い上げていただきました。
この時点では『小説は読むもの』であって『書くもの』ではありませんでした。
***
処女作は小説にするのを目的で書いたものではありませんでした(衝撃の事実)。
この頃、子供向けの学習用RPGを作っていまして、ちょうど二作ほど作り終えたところだったのです。幼稚園児用、小学校低学年用を作ったところで、小学校中学年以上を作ろうとしていました。
さて、ここで問題が発生します。小学生も3年生くらいになって来ると、文系・理系がはっきりしてくるのです。
読書が大好きな子は放置しても勝手に本を読みます。なので、情景描写や心理描写から、登場人物の気持ちに共感して行けるのです。
ガチ理系の子はそうは行きません。本は読むけれど、読むのは図鑑や専門書ばかりで物語には一向に興味を示さない。国語の時間でも「○○はなぜそう思ったのか、文中から十文字以内でぬきだしなさい」が解けない。物語の登場人物に共感できないという問題が起こります。
そこで考えたのが、理系の子が食い付いてくるような理系ネタで攻める学習用RPGを作ることでした。ゲームの中で登場人物の気持ちがわからないとクリアが難しく、その為に他のキャラがいろいろヒントになるようなことを言うのです。
そのための台本として書いたのが、処女作55万字の『P-WORLD』でした。
小説を書いたわけではないのです。ゲーム用台本だったのです。それを年齢を少し調整して小説っぽくしただけなのです。
二作目の『いちいち癇に障るんですけどっ!』はありえないキャラを作って遊んだだけです。
ヒロインは女子力ゼロ、料理できない、裁縫できない、掃除も下手、仕事もやる気なし、しかもデブ、得意なことは食べること、モテ要素がまるでない女の子。
相手役は超絶イケメン、仕事できるエリート、高身長、人望厚し、スポーツマン、炊事・洗濯・掃除・裁縫・その他家事万能、生き字引、車の運転プロ並み、特殊車両も余裕、難点があるとすれば頭が固すぎて女が近寄らないくらい。
……いるわけねーじゃん!
この『ありえない』を小説にしたら、半分も書かないうちに(ほぼ序盤で)書籍化の声がかかりました。
つまり、小説を一つもマトモに書いていないうちに書籍化したのです。
「書籍化したいと思って書いたことが全く無いまま書籍化した」=「書籍化したいという人の気持ちが全くわからない」という状態でした。
で、冒頭に戻るわけなんですが。
今だからわかります、メチャクチャ大変です。
なぜ『今だからわかる』のか。
簡単です。今は『書籍化したいから』です。
あれもこれもなんて言いません。書籍化したい作品があるんですよ、「これだけは」って感じで。でも、そう思ってもできるもんじゃないんです。
そうなって初めて「書籍化ってメチャクチャ大変なことなんだ」って気づきました。9年かかりましたね、遅いよ、気づくの。
本にしたい!って痛烈に思う日が来てしまったので、ここがスタートラインです。やっと書籍化を狙う皆さんと同じラインに立てました。
如月スタートからかなり出遅れてますね! でも追いつきますからね! 待っとけよ!
そんでもって、これから頑張って書籍化したら『シロート発言』やめて『クロート発言』書きます。『クロート発言』書く日が来るといいな。
……今日はシロートが夢を語ってしまったようだな!
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