第119話 キャラの年齢と行動・思考

 117話の続きみたいな感じになりますが。


 最近ヨムヨム君なんですよね。自分で書いてないから、他人様の作品を読ませていただいているわけでして。

 そこでやっぱり気になるところが出てくるんですよね。今回はキャラの年齢と行動・思考についてのお話です。


 最近の傾向として、主人公が中高生ってのがとても多い気がします。で、中高生メインでもコメディだったりファンタジーだったりすれば、その考え方が妙に大人びていても、お嬢様言葉でも、べらんめえ口調でも、何でもアリなんですね。どんな書き方をされていても全く違和感なく読めちゃうんです。


 でもこれが現代ドラマだったらどうでしょう? リアリティに欠ける言動や思考があった時点で一気冷めてしまうのです。


 よくあるのが、中高の人が中高を書くとき。

 セリフや行動が若々しく、元気いっぱいなんですが、それが全部30年~半世紀前の若者なんです! つまり、作者がその年代だったころの中高生を書いちゃってる!


(例)

 俺たち子供はみんな一斉に外に出た。


 待って待って、中学生は一番背伸びしたい年頃なの!

「俺らもう小学生じゃねえからな、ランドセルとかもう卒業してるし。ガキじゃねえんだよ」って思ってる連中が自分の事を「子供」とは言いません。そこは「生徒」です。

 とはいえ、これも全部というわけではないんですね。

 これ、親子で集まっていたらどうなるか。大人は室内に、子供は外に集まるようにという指示が出た後なら、上の例文でも正解になりますよね。

 要は、その状況に合った書き分けができればOKということなんですね。

 より一層中学生らしさを出すならば、「一斉に」じゃなくてダラダラするんでしょうね。体デカくなってるしね、小学生みたいにちょこまか動かないのね。



 あと、中学生がやたらと親とベタベタスキンシップを図るのもいかがなものかという気はします。いえ、もちろんマザコン男子とかそういうのを狙って書くならいいんですよ。普通の中高生はまず家族とベタベタしないんで。

 これは成長過程に於いて必然的に存在する時期とでも申しますか、思春期ならではの心理とでも言いますか。


 子供から大人へと少しずつ心も体も変化していく難しい時期なんですよね。体は問答無用で大人になって行く、だけど中身が付いて行ってない。そのギャップを恐怖して、なんとか中身も大人に振舞おうと頑張る世代です。

 この時期の子供がやたらとお母さんとベタベタするのかということなんですね。お母さんも、必死に大人になろうとしている子供の頭をやたら撫でたりしませんね。小学校低学年じゃあるまいし、そんなことしたらウザがられますね。

 いくら素直に育った子供、仲のいい親子を書きたかったとしてもそれは逆効果。本当に仲が良ければ、相手を尊重しようとしますから、親は必要とされない限り無駄に手を出さないようにして見守るでしょう。そういう親の気遣いがわかれば、子供の方も無碍にウザがったりせずに、他人とは異なるパーソナルスペースを構築するでしょう。


 そういうの、ちゃんと子供を観察して書こうよ……ってよく思う(←いきなり素)


***


 中高生に限らず、人間にはそれぞれ成長過程がありますよね。そこら辺は蔑ろにしちゃいけない部分で、そこで手を抜くといきなり現代ドラマがファンタジーになっちゃう。一歩間違えるとホラーになることもある。


 赤ちゃん。赤ちゃんつったって、いろいろなんですよね。3カ月くらいまでなら首座ってないんですよ、それを片手でひょいと抱くとか絶対アカンやつ!

 6カ月くらいから摺り這いだのハイハイだのが始まって、9カ月くらいだともうF1もびっくりのハイハイダッシュをかます。そりゃもうバックにT-SQUAREが流れますね、速い速い!

 赤ちゃんはミルク飲んで泣いて寝てうんちしてるだけだと思ってちゃいけません! わかんなかったら現役ママさんパパさんに聞きましょう。カクヨム作家さんには現役ママさんパパさん大勢いらっしゃいます。若いっていいな!


 あと、極めておりこうさんにしている二歳児、ダウトです。若いパパさんママさんたちはご存知でしょう、『悪魔の二歳児』と呼ばれてますね。悪魔なんです。イヤイヤ期ってやつです。(発達障害児はイヤイヤ期がない事もあります)


 保育園と幼稚園では、やってることがビミョーに違います。管轄も保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省ですかね。なので内容が違うんですね。

 そこら辺も確認しながら書いた方がいいですね。あと、自分が幼稚園に通ってた頃と今でも違いますから!


 小学生、ランドセルを持つことで、急に「お兄さん」「お姉さん」になったような自覚があります。「ふふふ、いまだにスモック着てるキミたちとは違うのよ!(黄色い帽子被ってるけどね)」

 二年生になると、一年生が入って来て「後輩」ができたことを理解します。感覚的に「先輩」を意識するんですね。二年生が一年生の世話を積極的にするという話はよく聞きます。

 次は「高学年」になった時でしょうか。学校の中でも上級生の立ち位置になったことを理解します。いろいろ張り切っちゃいます。可愛いです。

 最後に六年生になった時、最高学年の「責任」が回ってきます。登校班の班長は委員会などと違って責任重大です。毎日下級生を無事に学校まで連れて行かなければなりません。


 中学生になれば恋愛だってするし、親に内緒の話だって増えてきます。反抗期真っ只中だと、家によっては口も利かないなんてこともありますね。

 これが高校生くらいになると少し落ち着いてきて、大学受験なんかも出てきて親のありがたみを肌で感じることが増えてくる。受験勉強のイライラをぶつけられるのは家族だけということで、親が受け止めてくれるのを知っていてわざとぶつけたりする子もいますね(だけど心の中では感謝してたりする年頃ですね)


 こういう立ち位置がわかると、「おじさんおばさんが自分の目線で見た中高生」じゃなくて、「本物の中高生」が書けるんじゃないかなと思います。


***


 ぶっちゃけ、キャラ全員が作者と同い年な作品が多いんです。

 例えば作者が40代の女性だったとしましょう。

 子供は精神年齢が低いだけの40代女性。おじいさんは「ワシは~~じゃ」っていう言葉を使う40代女性。チンピラは言葉の汚いだけの40代女性。

 作者がそのまんま出ちゃってるんですね。これはマズいです。作者の人生書いてどうする。キャラの人生書こうぜ。



 また特大ブーメランが戻って来るような事を書いちゃったようだな。アイタタタ……

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