第117話 キャラの年齢と時代背景

 タイトル通りなんですが、キャラの年齢と時代背景が合っていない作品をたまに目にします。なんとも言えない違和感を覚えます。


 これは極端な例なんですが……。

 平成生まれと令和生まれ、そして昭和初期生まれ、『チョベリバ』なんて知りません。昭和初期は『激おこプンプン丸』なんて知りません。

 今の高校生は、東日本大震災を経験していても、地下鉄サリン事件の時に生まれていません。


 60~80代なら刑事ものドラマと言えば「太陽にほえろ」ですし、50~70代だとそこに「Gメン75」あたりが入るんでしょうか。40~60代なら「西部警察」「あぶない刑事」、30~40代になると「踊る大捜査線」「相棒」と様変わりしています。


 戦隊モノ一つとっても、ゴレンジャー世代、ダイナマン世代、カクレンジャー世代、ボウケンジャー世代とあるでしょう。女の子ならひみつのアッコちゃん世代、魔女っ子メグちゃん世代、花の子ルンルン世代、セーラームーン世代、プリキュア世代……。セーラームーンの前にミンキーモモか?


 ウルトラマンだってタロウなのかレオなのかクウガなのかで全然違います。ティガだのメビウスだのオーブなんてのもいたな。

 仮面ライダーもV3なのかアマゾンなのか、BLACKもあるし龍騎やら響鬼やら電王みたいな漢字シリーズもある。現在の幼稚園児ならゼロワンかセイバーでしょうか。藤岡弘さんなんか知らんやろな……。


 で、80代以上の皆さんは白黒放送で「のらくろ」です!(暴論)



 先日、女子中学生キャラが「ドジでのろまな私」っていう台詞を吐くのを見てしまいまして。

 いやいやいやそれは堀ちえみが「教官!」つって、片平なぎさが「ひろし……」って言いながら、手袋を口で咥えて外すやつやろが! (それはカメ)

 作者の年齢バレバレやで! 実年齢のまま若い子書いたらあかん。


***


 キャラにあったキーワードをどれだけ引き出しの中に持っているかで勝負は決まっちゃうと如月は思ってます。


 小学生なら「塾や習い事(スイミング、ピアノ、サッカーなど含む)」「ゲーム」「アニメ」あたりでしょうか。家によっては「中学受験」なんてのもあるでしょう。


 中学生なら「部活」「先輩」「後輩」「数学(算数ではなくなる)」「生徒会」「高校受験」「中間・期末テスト」など、小学生に無かった新しい世界を持つことになります。中学生の文化祭は合唱祭に毛の生えた程度でしょうか、物品販売などは無さそうです。


 高校生なら中学生からさらに発展するわけで、「電車(バス)通学」「文化祭」「大学受験」「オープンキャンパス」「偏差値」「バイト」と続き、大学生になると「一人暮らし」「学食」「大学生協」「単位」「講義」「ゼミ」「サークル」「飲み会」「留年」……いやまあ、いろいろですね。


 社会人になってからは時代背景がモノを言います。


 そしてここに年代に合った流行りものを投入するのです!


 例えば「バブル期」と言ってどれだけのアイテムを思い出せるか。

「ワンレン」「肩パット」「ジュリアナ」「お立ち台」「羽扇子」「システム手帳」「トレンディドラマ」「フロッピー」「ユーロビート」「マイケルジャクソン」「米米CLUB」「プリンセス・プリンセス」などなど……。(コメコメとかプリプリとか多いな)


 これらをキャラに合わせて使えばいいわけですね。


 小学生のセリフで「うちのパパとママ、ジュリアナで知り合ったんだって」これはダウトですが、大学生のセリフなら許容範囲です。

 また、小学生なら「うちのおじいちゃん、若い頃タケノコ族だったんだって。あたしはきのこの山の方が好きだけど」これはセーフですね。ちょっとタケノコ族の意味が違うようですが。


 とは言っても、お爺ちゃんお婆ちゃんとやたら仲のいい小学生なら「クララが立った」や「テクマクマヤコン」や「桔梗屋さん」で通じるかもしれませんし、3世代一緒に住んでいるお年寄りなら「クラピカ」でも「ウソップ」でも「禰豆子」でもガンガン語れると思うんですよね。

 キャラ設定が明確になっていて違和感が無ければそれでいいと思うのです。


 さて、コメント欄に年齢バレする小ネタが山ほど並ぶのを想定して、ニヨニヨして待っておくことにしましょう。



 最後の最後で、読者に宿題を残してしまったようだな!




※「クウガは仮面ライダーの方」というご指摘をいただきました。ファンのみんな、ごめんね!!!

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