第112話 ストレート過ぎ

 111話では「説明し過ぎ」について書きましたが、今度は「ストレート過ぎ」問題を見てみましょう。


 つってもね、別に問題じゃないんですよ。「説明し過ぎ」だってそもそも問題じゃない。それはそれでアリなんです。

 単に、読者が想像したい部分までご丁寧に書き過ぎてるってだけで、そういう需要もあるので特に問題じゃないんです。


 ただ、如月が嫌いなだけなんです!(好き嫌いの問題かよ)


 で、今回は「ストレート過ぎ」についてですが、これも好き嫌いの問題なので特に共感が得られなくてもいいです。はい。


***


 如月「○○そう」って言葉、あまり使いません。嬉しそう、悲しそう、痛そう、痒そう、寂しそう……そのまんま過ぎるんでね。読書感想文みたいになるのが嫌って言うかね、好みの問題ですが。

 あと、「○○な表情をして」も使いません。そのまんまじゃん。「悲しそう」とか「悲痛な表情をして」って書きません。


(例)こちらを振り返った芳美は苦しそうな表情をしていた。

(改)振り返った芳美の顔は苦悶に歪んでいた。


***


 あとね、「ストレートに説明」し過ぎなのも好きじゃないです。やった行動を全部事細かに説明しちゃう。途中省略しても通じるってところまで全部丁寧に書かなくてもいいよね。



(例)芳美はフフっと笑いながらゆったりとソファに座って脚を組むと、左手でソーサーを持ったまま右手のカップを静かに傾け、コーヒーを音を立ててすすった。

(改)ソファに沈んだ芳美は、意味深な笑顔をコーヒーカップで隠した。

   


(例)芳美は煌びやかで美しい絹のドレスを着て、アップにした髪にはたくさんの美しい花を飾り、目のくらむようなゴージャスな宝石をふんだんにあしらったネックレスや指輪を付けていた。

(改)髪を高く結い上げた芳美は、身にまとった絹のドレスや煌めく宝石たちに引けを取らないほど美しく輝いていた。


 これで十分だべ?

 一つ前にも書いたけど、「細かいことは他の文章やセリフの中に分散させて書けばいい」わけで、全部書く必要ないんですよね。


 すぐ上の例では、『髪にはたくさんの美しい花を飾り』が省略されていますが、このあと芳美が「髪から一本の花を抜いて少女に手渡した」と書けば、結い上げた髪にたくさんの花が挿してあったんだとわかりますしね。


 つってもね、これは最初にも書いたんだけど如月の好みの問題なので、どうでもいいんですけどね。はい。



 ……今日も個人的好み全開のシロート発言をしてしまったようだな!

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