第93話 思い込み

 突然ですが。思い込みってありますよね。ずっとそう思い込んでいて疑いもしなかった系のやつ。

 第74話「ああ、勘違い」に繋がるわけですが、勘違いとは違って「間違いじゃないけど、自分の思い込みが少数派だった」みたいな。


♬思い込んだら試練の道を

ってのを「重いコンダラ」を引いてると思った人、かなりいますよね。あれだって十分思い込みだと思うんですけど、多数派なんですよね。


***


♪こちこちかっちん お時計さん

♪こちこちかっちん 動いてる

♪大人の針と 子供の針が

♪こんにちは さようなら


 チョイ待て! どれが大人の針で、どれが子供の針なんだ?


 これ、みんな分針を大人の針、時針を子供の針だと思ってたんですね。だって分針の方が長いんだもん。大人じゃん。

 でも如月は違ったの。分針を子供だと思ったの。だってせわしなくちょこまか動くんだもん。時針は太っちょで、落ち着き払ってて、ちょっとのことじゃ動かない。大人の針じゃん!


***


♪どうしてお腹が減るのかな 喧嘩をすると減るのかな

って歌もあるでしょ? あれ、最後には大変なことになりますよね。


♪おなかとせなかくっつくぞ


 !!

 お腹と背中がくっつく!

 子供の頃の如月は、お腹と言えば胴体前面を指し、背中と言えば後面を指しました。つまり表面部分であることが何より重要視されていたのです。


 その、お腹の表面と、背中の表面が、くっつく!


 もうメチャメチャ考えて、お腹と背中がくっつく状態というのは『体が裏返しになった状態』しか思いつかなかった。

 どこから裏返しにするか。口しかない。口からベロ~ンと裏返しになって、食道とか胃とか、全部表面になるの。手足なんか体の内側に収納するしかないよね、裏返しなんだから!

 そうやってやっとの思いでお腹と背中をくっつける訳なんだけれど、「お腹が減ると、体が口から裏返しになって、お腹と背中がくっつく」理由がどこにも見つからない。


 さんざん悩んだ挙句、母に相談しました。幼稚園の時です。ホラーな発想をする幼稚園児ですね。


「こう、ペチャンとくっつくに決まってるでしょ」


 待て、母よ。決まっているとはなんだ、誰が決めたんだ? 作詞者に聞いたのか?


「それなら、お腹と背中が内側でくっつく、って言えばいいじゃん」

「歌に合わないでしょ。それに普通わかるでしょ」


 わからなかったんだよ。だから言ってるんだよ。


***


 どんな誤解を受けるかわかりませんね。自作品では意図的にダブルミーニングを誘うもの以外は、なるべく一意になるように書いています。お腹と背中をくっつけるために、口から体を裏返しにする事が無いように……。



 ……またシロート発言をしてしまったようだな……(´Д`)ハァ…。

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