第92話 スイッチ
本を読んでいると、キャラにスイッチが入る瞬間の描写ってありますよね。
自分の恋心に火が点いた瞬間、相手に対して怒りのスイッチが入った瞬間、何かに対して本気を出した瞬間。
上手い人はホント上手くて嫌になっちゃうよ。自分が上手くなりゃいいだけの話なんだけどね。
たった一文字でスイッチが入ったことを見せる人がいるんですよ。主人公の台詞でね、口調は一切変わらないのに、二人称がサラリと変化してる。
某違法労働推進会社撲滅弁護士小説の主人公なんですが、彼の二人称を見ているとスイッチが入った瞬間というのがわかるんですね。
彼の普段の二人称は「貴兄」なんです。まあ、貴兄と呼ぶ相手は基本的に敵なわけですが。
でもって、「貴兄は~」「貴兄が~」と話していたところに、いきなり来るんですよ、逆鱗に触れたなと思わせる言葉、『貴様』が。
口調が変わらないんですね、だから逆に怖い。元々頭のいい人なので、常に冷静沈着で計算高い。その彼が唯一「キレました!」というのを見せるのが二人称。『兄』が『様』に変わっただけなんです、たったの一文字なんです。
上手すぎやろ!
如月のストライクゾーンをガンガン責めてきますね。ぐはぁ……尊い。
該当キャラの雰囲気が変わったというのを地の文で表現する人が殆どですが、こうやって些細な一言でガッツリ見せてくるのは痺れますね。
早くこういうのが書けるようになりたい……(妖怪人間じゃありませんよ!)
……また地味にシロート発言をしてしまったようだな。
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