第52話 作家イメージ(1)
作家イメージってないですか?
一人の作者さんの作品をたくさん読んでいると、その人の作風からその人のイメージを勝手に作っちゃうというか。
私は如月芳美なんてペンネームなうえにラブコメなんぞ書いているもんだから、若い女の子だと思われていたことがあります。そう思っていた読者さんがこのシロート発言を読んだら、『変態中年じゃねーか!』と恰も詐欺にやられたような気分になるのかもしれません。
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ミステリーばかり書いている人なら『ミステリー作家』、ラブコメばかり書いている人なら『ラブコメ作家』となるのでしょう。そしてそのイメージでドンピシャなわけです。
ところが如月は未だシロートなので、自分の合っているジャンルがわからない。だもんだから、あちこちに手を出しています。
すると思いがけない反応が来ることがあります。
例えば『P-WORLD』しか読んでいない読者さん。私を『SF屋さん』だと思ってます。しかーしSFで完結しているのはこれ1作だけです。(※その後『科学部!』を完結したので1作ではなくなりました)
『空が茜色に染まるころ』と『GIFT』だけを読んだ読者さん。私を『現代ドラマ屋さん』だと思ってます。しかもちょっと重い系のを書く人だと思っちゃってます。
さーて、そんな皆さんが『科学部!』とか『……またシロート発言をしてしまったようだな。』辺りを読んだらどうなるか。
「めっちゃ軽いやん、コイツ!」という事になるでしょう。今までのイメージが、ガラガラと音を立てて崩れる瞬間です。
先に言っておきます。『シロート発言』の如月が本物です。
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ぶっちゃけ、私自身もいろんな人を誤解してたんですね。
『某中東宗教的テロ組織飛行機墜落小説』とか『某納税義務不履行者督促小説』を書いていた作者さん、ちょっとハードな系統だったので、いぶし銀の渋いオッサンだと思ってたんですね。サングラスとアサルトライフルと咥え煙草の似合うオッサンね。かっちょええの。
とんでもねー! PTAがどーのなんて話をしているママさんでした! しかもツイッターで話してると、なんだかやたらと可愛らしい人で。
……作風と違うじゃねーか!
まあ、他にも随分勘違いしてたんですが、作品だけでこんなにガッツリとイメージが定着するものかと思うと空恐ろしいですね。
芳美、今日から若い女の子キャラで行こうかな♡ ……あ、石投げるのやめて。
……またシロート発言をしてしまったようだな。
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