第48話 自作品には容赦しねえ!(1)

 ここまで順番に読んでくださった皆さん、何か気づきませんか? いやいやいや、如月がドMだとか変態だとか、そういう話じゃなくてね。

 この『……またシロート発言をしてしまったようだな。』では、作者さんの名前や作品タイトルを意図的に書いていないのです(第10話は除く)。

『某女装男子美少女進化系小説』だとか『某国テロ組織飛行機墜落小説』だとか『某英国ゴミ屋敷お片付け小説』だとか『某女子高生格闘技小説』だとかっていう書き方をしています。あくまでもこの『シロート発言』の例に出しているためであって、その人の宣伝にならないようにするためです。どうしても偏りが出ちゃうので、わざとそうしています。


 ですが、一人だけ、一作品だけ例外があります。第42話『言葉遊び』に登場していただいた『六月菜摘(現在は六月雨音)さん』の『葉月先生の恋』です。


 先日、第37話と第45話に登場していただいたN氏が、ツイッターで六月さんに「いいなあ。俺なんかイニシャルしか……」と言っているのを見かけました。

 そこで『なぜシロート発言でイニシャルだけの人と正式に名前を書いている人が分けられているのか』がわかりにくいのだろうと思って、この回を書くことにしました。


 では、何故『六月菜摘さん』の『葉月先生の恋』だけ明確に書いたと思いますか?

 答えは簡単です。自作品だからです。



 六月さんの『葉月先生の恋』と如月の『クロード葉月先生の徒然日記』はコラボ作品として、我々は『葉月コラボ』と呼んでいます。

 もともと六月さんに誘われる形で始めました。『いち癇』書籍改稿中のクッソ忙しいときでしたが、極秘情報なのでそんなことも言えず「じゃあ、やりますか」みたいな軽い感じで(実際息抜きになったんで良かったんですが)。


 しかし、彼女は知らなかったのです。如月という人間が自作品に容赦しない人間であるという事、そして自分に容赦しない人間であるという事を……(ミステリーの予感)



 コラボ作品はお互いがお互いの物を自作品として真剣に取り組みます。コラボ中の六月菜摘は如月芳美の分身です。自分として扱うので。彼女の他の作品については一切口出ししませんが、『葉月コラボ』に関しては徹底的に厳しい姿勢を崩すことがありません。

 泣こうが喚こうが「胃が痛い」と言おうが、そんなもん私の知ったこっちゃない、一日おきと言ったら絶対に一日おきなのです。あんたが決めた納期だろう、私は『いち癇』書きながらその納期を守ってるぞ、と。

『言葉がどこかからフッと降りてくるのを待っている』という書き方の彼女には、私のやり方はとにかく『厳しい』以外の何物でもなかったでしょう。



 『葉月コラボ』は彼女の『玻璃の音*書房』の森に存在する中学校のお話ですから、『玻璃の音*書房』の設定を使います。「これ、どの辺りの地方ですか?」からスタートです。

 私の書く『葉月先生』は理科の先生です、いいかげんなことが書けません。

 青森の設定でクマゼミの鳴き声がしたらアウトなのです。広島辺りでネマガリダケと鯖缶で味噌汁作ってはいけないのです。北海道でゴキブリを大量発生させるわけにはいかないのです。

 これに対する回答が「にゃ? えーとね、雪が降るところでね、何時間か電車に乗れば海に行けるところ。長野辺りかなぁ? くふっ」


 ……どこやねん! しばくどワレ!



 後半へ続く!


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