第47話 それ、読まねーわ
先日、お友達同士でこんな話をしている人を見かけました。
「新作が恋愛ものなんだわ」
「ごめん、俺、その系統はぜってー読まんわ」
「だろうね。これはあんたは読まんと思う」
この会話が普通にできる。この二人は本当の友達なんだろうなと思いました。
私自身、好きでもない系統のものを、社交辞令で「読みに行きます」と言われたり、いやいやながら読まれたりしてもちっとも嬉しくない。
面白くなかったのに「面白かったです」と言って欲しくもない。寧ろつまんなかったら「チョーつまんねーよ」と言って欲しいし、どこでブラバしたか教えて欲しい。それを参考に直せるんだから。
*
とある私のお気に入りの作家さん、メインで書いているのがアイドルものです(この時点で大体どなたか想像がついてしまうかもしれない)。私はこの人の某弁護士物語が好きなのです。大大大好きなのです!
しかし、この方の代表作は恐らく『アイドルもの』。
で、私ははっきり言いました。如月、命知らずです。
「私、アイドルに全く興味ないんで、アイドルの方は読まないと思います」
KGBを知ってても、AKBのセンターが誰かわかりませんから。それ以前に誰がいるのか知りませんから。
そしたらその作家さん、なんておっしゃったと思います?
「じゃあ、如月さんが読みたくなるようなアイドルもの書きますよ。アイドル世界の闇を弁護士に相談するなら読むでしょう?」
その一言で完敗でした。次の瞬間には「お願いします、読ませてください」とPC画面に頭を下げていましたね。純粋に読みたいと思った。早よ! 映画化!
てかさ。
カッコいいと思わない?
「如月さんが読みたくなるようなアイドルもの書きますよ」ですよ?
やべえ、カッコええ! 萌え死ぬ! 作家的に超絶カッコええ!(悶絶)
このセリフ、どっかで使いたいよってくらい痺れました。思い出しても痺れる。
もうね、こんな台詞とてもじゃないけど今の如月には絶対に言えないもん。いつか絶対このセリフ言ってやる!(しかも涼しい顔で!)
そして誰かに「如月さん、超絶カッコええ!」って言わせるんだ!(目標)
*
「読んで貰ったからお付き合いで読んであげる」のか。
「読まずにはいられないようなものを書く」のか。
その違いが作家の
とは思っても、その『読まずにいられない』ものを書くのは至難の業で、なかなかその領域まで到達できずに足掻いているわけですが。
はぁ……またシロートが自爆発言をしてしまったようだな。
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